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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

 大学時代の友人と一年に一度は定期的に集まるようになって、何度目か。
 今日もその会に行ってきたわけだが、そこで意外なことを友人に言われたので、整理するためにも書かずにいられなかった。

 なにせ引っ越してからこっち、自分の部屋は無いし、家族とは扉一枚隔てているだけで、以前よりも物音はよく聞こえるし、独り言もばっちり聞こえる。
 そんな環境で書けるかーいって、半年近くほぼ何も書かなかった。書けなかった。
 もっと一人になれる場所で~なんて言っていたら、このまま書けずにいきなり死にそうだ。そんな焦りだけはあって、条件とか環境とか関係なく、とにかく書き出してみたかった。
 そのきっかけとなったのが今日の会だったので、友人らには感謝せずにいられない。

 僕は明暗で言えば、明らかに暗の方の存在だ。自分でも自覚はあるし、かつて友人だった人、或いは仕事先の人からも「ネガティブな方の人間だ」だの「あなたの話を聞くと暗い方へ引き摺られる」だの、好き放題言われたものだ。
 僕は人の話を聞いて共感こそすれ、引き摺られることがあまり無かった。だから、かつて友人だった人の言う”引き摺られる”の意味が解らなかった。
 今にして思えば、もう交友関係を続けていけるような間柄ではなかったのだろう。喧嘩したこともあったし、その際に相手を泣かせてしまったこともあって、そのわだかまりは解けたものだと思っていたが、相手の中ではそうじゃなかった。同じ次元でものを見ることはできなかったんだ。

 そんな自分に対して、今日会った友人は「君と話すと元気になるし、表現も的確だ」と評価され、もう一人からも「こうした方がいいって押し付けてくることもないし、寧ろ話を聞いてもらって要点が整理できる」といった旨のことを聞いて、とても意外だった。
 更に、先の友人は随分と昔に僕に対して「閉鎖的なんじゃないのか、勿体ない」と言ってきたことがあって、当時の僕はそれに反発したものだった。
 そのことを憶えていた友人は「あの時はそう言ったけど、今にして思えば君はしっかり考えていた。閉鎖的なんじゃなくて、長く付き合える人を見抜いていた。それに比べれば自分らなんて、まだ子どもだ」と言って、「昔の友人が残っているということは、その時からブレていない」と再び評価してくれた。

 意外や意外、僕は誰かに何かを与えられる存在になりたかったけど、実際にはなれないだろうと思っていた。
 確かに、人によって場所によって、話すことや思考を柔軟にしていこうと心掛けてはいたが、自分の軸に沿わないことを話したことはない。八方美人ではない。
 閉鎖的なんじゃないかって言われたことを、まさか二十年近く経って「自分の見方の方が誤りだった」みたいに言われるなんて、思わなかった。
 その時の僕は図星を突かれて、こいつに何が解るんじゃいって怒って、それで反論していた気がする。
 子どもじみた反抗だったのに、二十年近く経って友人は自分の認識を改めた。その一つの答えのようなものを聞けたということが、僕にとっては偉大な奇跡だ。

 それに、もう一人の友人が言った「話を聞いてもらって整理できる」というところは、僕がよく会う友人に抱く感想そのものだった。
 彼女は筆力もあるし、思考する力もあるし、僕なんかよりよっぽど読書家で、ゲーマーで、他人に左右されることはない。そんな彼女に自分に起きたことを話すと、客観的な視点からずばずば言ってもらえるので、僕の思考の組み立てにとても役立つのだ。
 そんな役割を、まさか自分が誰かにしていたとは。話を聞けて良かった。

 僕の存在価値なんて、友人によって認められるところがやっとだ。
 家族も旦那もその他の人間も信用ならないところがあるけど、自分が選んだ友人達は今でも好きだし、できる限り関係を続けていきたい。相手の人生に関わることができなくなったとしても、その幸福を願える自分で在りたい。
 ただ、この先を生きていれば別れは必ず来るだろうし、或いは予期せぬ訣別が待っているかもしれない。既にそんな訣別を経験した僕は心が壊れて久しいが、友人達のお蔭で生きていられる。多くを望まずに、彼、彼女らの幸福だけを願える。
 そこは感謝するかな、訣別した奴に。でも、許すことはできない。また話したいけど。

 僕も、誰かを元気にできるようなことを話せるんだ。
 TPOを弁えてこそだし、もしかしたらそう言ってくれた友人だって僕の話をもっと深く聞いたら、自分の感覚をまた訂正することになるかもしれない。
 だけど、今日聞いた話は間違いなく友人が感じたことだ。それを伝えてもらえるだけの成長を、僕はきっと遂げている。
 それ自体はきっと喜ばしい。良いことだ。僕の糧になる筈だ。信じたい。

 僕は彼らの死を見届けてから、死にたい。友人らの老いと魂の旅立ちを祝福したい。
 最後にそんな我儘を言ってもいいと思う。僕だっていつ死ぬか解らないけど。

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