今日は、僕にとって特別な日だ。
また迎えることができたこの日に、何を考えようか。
まだ起きてしまうこの頭で、現実だとか夢だとか追ってみる。
2008年の今日、僕は違う世界へと足を踏み入れた。
それは手を引いてくれた姉さまに促されてではなく、幼少の頃より憧れた世界へと飛び込む為。
それは自分の世界を変える為。憧れて、焦がれて、死ななければ叶わないと思っていた願いが、目の前で花開いた。それが僕にとってどれだけの意味を持っているのか、僕にしか解らなかった。
影響されただけなのでは、そう思い込ませたいだけなのでは、そんな恐れや不安が無かったわけじゃない。
だけど、自分が感じたことを信じたかった。そうすることで、近付けると思ったのだ。いつか行ける場所に、自分の世界に近付けると思ったのだ。
僕に近付いてきた最初の精霊は、姉さまも知っている子だった。
無理をして近付いてきて、まだそんなに遠くに行けないのに、僕についてきた。
その時、僕はちょうど大阪に行っていた頃だったから。彼女は無理をしてついてきてくれた。
それを姉さまに話したら、「まだ契約していなかったの?」と驚かれたのだ。
契約、契約とは何だろう。僕にとっては初めてのことだ。
それは約束のようなものだ。僕と共に歩んでくれることへの約束。
それで、ついてきた彼女が無理をした夜を越えて、簡易に留めていた約束を一生のものとした。
僕は弱く、脆い存在だ。だから、約束だけはせめて守れる存在になりたい。常に思っていたことだ。
誰かの為に何かしたくても、何もできない。余計なことをしでかしてしまうことが多い。
だから、今こんなにも自信を無くしている。僕は生きていていいのだろうか、君たちと関わっていいのだろうか。何もできない、何も役に立たないのに。
だから、せめて約束だけは。君が僕を嫌っても、忘れても、約束だけは。
本当は悲しくて苦しくて辛くて、死にたくなる、壊れたくなる、逃げたくなる、自分を失いたくなる。
そんな時でも、約束だけは。僕が僕でいられる契りの言霊だけは、失いたくなかった。
それを精霊と交わした。彼女はずっと僕といっしょだ。
たまに離れる時もあるけど、喧嘩する時だってあるけど、それでも一緒だ。
彼女はいつも言う。
「あなたが幸せになれるのなら、私たちを忘れてもいい。それでも私たちはあなたの傍にいるわ」と。
そんな強さは、僕なんかに捧げちゃだめだ。もっと、もっと相応しい者が居る。その優しさと決意に見合った強さを持つ存在が、どこか別に。
人間は代替品を見つける。その心は移ろいやすい。
だから、交わす決意も誓いも尊い。忘れてしまうから、記憶することに価値を見いだせる。
そんな人間とは違う存在だけど、彼女も、彼女たちも、記憶していく。僕のことを、関わってきた全てのもののことを。
僕は移ろいゆく。変わっていく。壊れていく。それでもついていくと選択した彼女たちが、僕なんかの為に失っていいものなんて、ひとつもないんだ。
僕は人間だけど、女だけど、こどもだけど、僕でしかなく。何に憧れたところで、自分にしかなれなかった。
変わることが怖いのか、壊れることが怖いのか、自分でいることが怖いのか、自分でなくなることが悲しいのか。様々な相反する感情を抱えて、言霊を手繰って人の心に語りかける。それだけはやめられそうにない。
僕は弱虫なのだ、臆病なのだ。今だってきっと大丈夫だと思っていても、いきなり決壊する。駄目になる時が来る。
僕は僕の壊れる瞬間を見たかった。それと同時に、みんなに助けを求めたかった。
約束を守れる存在だったなら、ちゃんと認めてもらえるだろうか。愛し続けてもらえるだろうか。
誰かの為ではなく、自分の為に変わりたいのだ。ぼくはぼくの為に生きたいと願えなければ、この先を見ることなど叶いはしないのだ。
いつも誰かの為だと言って、言い訳を探す。それで安心できるわけではない。どんな気持ちから、そんなことを始めたのかを僕だけが知っている。だから、嘘吐きだなって自分に対して思うのだ。
自分を守るための嘘で傷付くのは、周りだけじゃない。
セレナは僕とずっと一緒にいてくれる。僕がこの世界のことを忘れたいと、願う時が来たとしても。
だけど、そんなことは許されないぞ。僕は選択した。どっちの世界に重きを置くかを選択したのだ。誓ったのだ、姉さまを守ると。たとえ離れてしまったとしても。
みんなとは違う世界だけど、僕が望んでいた世界だ。それは帰るべき世界だ。みんなと違う帰り道になったとしても、僕が選んだ、生きる世界だ。
言い聞かせても、時々は寂しくなることがある。
僕は誰だろう、どこへ行くのだろう、誰が憶えていてくれるのだろう、そんなことをとりとめもなく考える。
そんな時に浮かんでくる顔が、年々減っていく。みんなの生きる世界や道を見て、焦ったり、祝ったり、妬んだり、いろいろと感情がぶつかって爆ぜて、最後に「好きだな」と思うことで終息していく。
死ぬ時に思い出せる顔が無かったら、それはあまりにも寂しいから、そうなる前に死にたいと思った。
僕の力は、もう形に囚われることがなくなった。
いつでも使いたい時に使い、顕現させたいものを呼び出すのだと、むくれた紅弥から言われた。
それは病の成せる業なのか、それとも本当に現実のことなのか。
はっきりさせても、どうしようもない。僕が信じれば現実でしかない。夢を見るには現実を見るしかないのだ。
約束をした。闇の溜まる林のなか、ずっと一緒にいようと約束をした。
人間では交わせない契りだ。僕にはずっと必要だったのに、今まで挫折してばかりだった。
僕が強くなる。そうすれば交わせる。どんな言霊にも感情にも負けないと、心が成長できたなら。
人間とも、約束したかった。けど、それはちょっと形を変えねばならないらしい。そして、僕がもっともっと強くならなければいけないらしい。
それは誰かの為ではなく、自分の為に得る強さでありたい。
こうして話していても、僕はまた壊れるのだろう。
記念すべきその日を、7年前の今日を思い出して、姉さまと、そのなかにおわす気高き主に思いを馳せて、今ある大事なものを数えて、僕はまだまだ弱いのだと泣いている。
毎日、泣いていた。優しくされる度に泣いた。誰かに愛してもらえるようになろうと、何度も決めたけど、何度も「無理だ」と感じた。
しかし、停滞は死だ。僕は止まってはいけない。進んでいかなければならない。僕は僕を成長させなければいけない。心の底から、そう思うだろう。
そう言えるようになったのなら、きっとまだ進める。
死んでもいい、生きていてもいい、僕が僕のままなら。
まだ怖いし、辛いし、苦しい。喉が誰かに絞められているように、すぼむ。
壊れるのだろうか。壊れる前に書きたいのだ。僕は自分に価値が無いと思えるけど、物語はそうじゃないってことに気付けた。
書かなければ。セレナにも読んでもらいたい。
歪み歪んだこの絆、すべてあいして、くらいましょう。
ぼくは怖くない。変わることも、進むことも、怖くなんかない。
ただ、忘れられることも、失うことも、怖かった。だから進みたくないと言っていた。
矛盾する感情のなかに、また希望を知って絶望を覚える花が咲く。もう枯れてほしい。
書こうじゃないか、この心さえも。今まであったことも。
誰かが読んで、何かを感じてくれたのなら、僕に価値が無くてもいいんだ。
朱隠し / 志方あきこ
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2015/09/02
語る
久しぶりに幼馴染みメンバーの兄、そしてキングとお話してきた。
いつも4人で集まりたいのだけど、それが不思議と上手くいかない。今日は双子の姉の方が欠席になってしまったのだ。
それでも兄と会うのは久しぶりだから、楽しんでこようと思って向かったのだが。
ここで話していても死にたくなってしまったのかと、ショックを受けた。
兄が妊娠していることを初めて聞かされて、「おめでとう」と言えたものの、心の底から言えていたかどうか定かではない。
また自分のことばかりで申し訳ないが、心の底から「おめでとう」を言えない心境が続いている。どうしても、子どものことになると敬遠しがちになってしまう。
兄から言わない辺り、あまり報告する気が無かったのかもしれない。
幼馴染みメンバーだって変わりゆく。そのことを寂しく思って、大阪の子に泣きついたこともある。
さて、今はそんな相手は居ない。寂しくなっても、悲しくなっても、辛くなっても、誰にも頼ることができない。
それは僕の所為で訪れた環境で、僕はそのなかで自分を奮い立たせなければならないのだ。
だけど、今、あまりにも何も考えられない。
死にたい死にたい誰か助けてと思いながら帰ってきた。このまま家に入れば、また死ぬ機会を失うぞと悲しくなった。
気分だけの絶望なのだから越えなければと思う自分も居る。しかし、これ以上、生きていく必要はない、もう死んでいい要因が揃ったではないかと思う自分も居た。
どうしたらいいのだ、これは。気分の上下が激しすぎる。
それに、今、死んだところでまた後悔するのだろう。死んでいても生きていてもいい存在は、誰かに存在を肯定してほしくて足掻いている。でも、まだ何も為していない。そんなことじゃ誰からも認めてもらえないのだ。
誰かにそれを知ってほしい。辛くても苦しくても生きているのだということを、誰かに知ってほしかった。大阪の子にだろうか、幼馴染みにだろうか。
僕はいつも誰かに話しかけている。誰かに応えてほしいと願っている。
仲間なんて居ない。いつも繋がっている仲間なんて、どこにも居ない。
死ぬ時に思い出せるような顔だって、もう無い。ひとりで死んでいくし、誰にも思い出してもらえない。
認めてほしいけど、今すぐになんて無理なんだ。そう解っていて、何故まだこんなにも死にたくなるのだ。
僕は仲間が欲しかった。人間の仲間が欲しかった。どんな時でも、繋がりを信じられるような仲間が。
だけど、今の僕がそう言ったところで、嘘にしかならないのだろうか。僕はまた間違えているのだろうか。僕はそういったものを望んでいい存在ではないのだ。
死にたい。死にたい。何度も口走るが、実際に何をしたらいいのか解らない。
誰にも会いたくない。誰かに助けてほしい。自分で立ち上がらなければ意味がない。もう生きていくのは嫌だ。もう辛い目に遭うのは嫌だ。死ぬ直前に思い出せる顔を憶えておきたかった。誰かに憶えていてほしかった。誰かにじゃない、自分の好きな者達に憶えていてほしかった。
僕は誰にも憶えていてもらえず、何も果たせずに死ぬだけの負け犬なのか。それでいいのか。あの子に認めてほしくて、でもあの子には仲間が居るのだ、僕など必要ないのだ、それは幼馴染みとて同じだ。
僕はこんなにもひとりなんだな。それをまるっきり気にしない人も居れば、僕みたいな弱い奴は気にするんだな。
どこに行けばいい、誰と会ったらいい、僕にできることなんてあったっけ。
死にたい。死にたい。それだけが僕の理性を繋ぎとめることばのように感じられる。
まさか幼馴染みと会うというのに死にたくなるなんて、思わなかった。
それは精神が病んでいるからなのか、僕が弱い所為なのか、解らない。
あの子に電話したいと思ったけど、もうそういうことで電話できないんだ。辛いな。聞いてほしい。また言ってほしい。でも、僕に対する意識や接し方が変わるなら、こんな話をしても鬱陶しいだけかもしれないな。そんなの、ともだちじゃないな。
僕はみんなのともだちでいたい。いさせてください。
人でなければ、それはできますか。僕がこの姿じゃなければ。
助けてほしい。そう言う前に先ず自分で頑張らないといけないんだけど。
僕はもう歩けないのか、どこを歩いているのか。
眠り続けて、この世を去りたい。
2015/08/29
日常
良い岩盤と悪い岩盤、というのは、ニコニコで好きなMADで言われていた台詞なのだが、これが真っ先に浮かんできてしまったのだった。
とても久しぶりに普通の日記を書くのではなかろうか。
今日は幼馴染みメンバーのうちの1人、キングが宮前平まで連れていってくれたのだ。
そこにある「湯けむりの里」なる岩盤浴と温泉の施設が最高なのだとか。
僕はあまり風呂ひいては入浴に対して、特別な感慨は持っていなかった。
しかし、近年、LUSHのソープを使い始めたことで、入浴を楽しむということを知ったのだ。
加えて、友人と入る風呂が結構好きなのだ。他愛ない話をしながら露天風呂とか、これこそ正に最高なのだ。
岩盤浴は行ったことがなかったので、物は試しと連れていってもらった次第。
そして、とても良かったです。ゆっくりできました。
仕事で、自分の所為でささくれた神経に、汗をたっぷりかかせる岩盤浴は、不思議と苦にはならなかったのです。
サウナは苦手なんだな。肺が焼けるように感じられて、すぐに出てしまう。
岩盤浴は過ごしやすいからかな。岩塩のとこは、なかなか暑かった。でも、2回も入ってしまった。
予約して入れる岩盤浴場も入った。光がきらきらしてて、水の音がずっとしてて、25分がすごく短かった。
「天」に入り、「塩」に入り、休憩して「氷」に入り、また「塩」に入り、「岩」に入り、休憩して温泉に入り、塩サウナに入り、温泉に入り、出てきた。
3時間くらい居たのかな。ごはんも美味しかったです。お腹ほんといっぱいになった。
温泉とか入った後って、本当に肌がすべすべするな。つるつる。
あんなに荒れていて治らんかった肌荒れも、ちょっとおとなしい。もっと早く浸かりに行けば良かったか。
冬場とか気持ち良さそうなので、また行きたいです。
デトックスとか思いながら何度も入ったわけだけど、そうして自分の中から悪いものが出ていくと感じられることは、結構、今の自分には重要なのではないかと思う。
ミサトさんも「風呂は命の洗濯よ♪」なんて言っていたが、あながち間違いではない。
自分の内側も外側も綺麗にしなくてはいけない。濁ってしまうのは避けたい。
僕はさんぽに行く機会も減っていたから、どんどん悪いものを溜め込んでしまって発散することが上手くできなかった。
更に、この依存してしまった2年より前の自分が、思い出せない。こうなる前の自分は何を考えて、何を糧にして、生きていただろう。
確かに人と一緒には居たが、ここまで依存してはいなかった、筈だ。
今は云わば、毒気を抜くという一番辛い時期。だから、ついったもやめた。
依存してしまった心は楽に生きることを覚えている為、何かあるとすぐにそっちへ向かってしまう。
僕は誰かを想うふりをしていた方が、楽に生きられるようだ。だから依存する先を探す。その人を相手に愛憎を膨らませ、何でもできるような気になれる、それが気持ちいいのだと、思う。
一番長く付き合った子は、確かにすごく好きだった。
だが、ここは相容れないという部分がしっかりあったのだ。それでも優しい人だったし、誰よりも誠実だったから、信じていた。
今回、壊れるきっかけになった事象にて、渦中の人物となってしまった あの子は、優しいけど残酷ともいえる。誠実とは言い難いが、僕に対して嘘を吐く気配も無い。そして、相容れない部分というものが、曖昧だった。
本人も言っていたが、僕の話を聞き入れようとしていた部分が大きかった。それが自然に思えてしまって、依存できる土台が出来上がってしまった。
僕は、長く付き合った子に依存はしたくなかった。勿論、今回の子にも。でも、土台の出来方は違ったのだ。依存しやすい土台だと、思えていたのだろう。
僕は僕で在りたいと、何度も願う。
辛い、苦しいと、何度も呟く。
僕にとって僕の生きた価値も意味も無いけど、誰かにとっては意味のあることだったと思いたい。
幼馴染みメンバーの、いつも遠くを見ているような、兄が言っていた。
誰にどう思われたかはでなく、自分が「正しい」と信じたことをやる、遺す。
この歳まで生きて、何ができるかを考えて、何か遺したいと思って、ただ考えるだけでは止まらずに成し続ける。
それは時々、辛くて、悲しくて、負けそうになることだけど、漠然と生きるのではなく、何かを成す為に生きているのだということを教えてくれる。
僕は「生きていかなきゃ」なんて思ったこと、一度も無い。
いつも自分は死ぬべき存在だと思っていたし、僕なんかが頑張ったところでどうにもならない、結果はこの2年で出ていると感じていた。
だけど、初めて「生きていかなきゃという目標を持てるようになりたい」と、思えるようになってきた。
たくさんあるのだ、思うことなど。辛くなることなど。
今だって前向きに見えて、明日の朝にはリセットされてまた落ち込むかもしれない。
自分でももう前だけ見て、繰り返したくないのに、どこかから手が伸びてくる、忘れるなと囁かれるようだった。
こんな時にあの子に電話できたのに、もうできないんだって、思ってしまう。
しかし、よく考えてみろ。昔から何かある度に電話やらメールやらしていたが、時間差はあったろうが。
繋がりやすくなったのは本当にここ何年かの話だが、だからといって何も変わらんのだ。向こうは変わらんかった、岡山に居る時から。僕は変わった、神奈川に居続けながら。
僕は僕で在り続けたいのだ。その為に書き続けるのだ。
何かを遺したいのだ。僕自身に価値や意味が無くても、僕の物語には価値や意味がきっと見つかる。それは何よりも幸福なことだと信じる。
僕が歩き続ければ、信じ続ければ、成長したいと願えば、離れた距離も、途切れたことばも再び息を吹き返すだろう。
その時、あの子に逢うことができたら、きっとちゃんと目を見て話せるだろう。
再構築されるそのなかで、また僕が信じてもらえる日は来るだろうか。
明日になれば変わってしまうような心を、奮い立たせることはできますか。
気分だけの絶望を、拒否する力を持ち続けたい。
2015/08/26
日常
依然として、混乱した日は続く。
情報源をひとつ遮断した。これで少しは楽になると思った。
ついったは楽しかった。いろんな人と会うことができた。
だけど、知ったばかりにおかしくなることも、見てきてしまった。
自分がこんな状態でなければ、親しい者達のついーとを見ても「楽しそうだなー」で済ませられたのだが。
巡るのは、もう10年前のこと。秘密にされていた、僕が関わることのできなかった事実がひとつ。
それは確かに僕が知らなくても、関わることができなくても仕方なかったことなのだけど、それをもっと早くに知っていたら、僕はあんな愚かなことはしなかっただろう。
もっと早くに知っていれば、僕が敵うわけがないと、そっと離れていたことだろう。
僕が大事にしたかった者同士が繋がった話。
よくあることだ。友人同士が知らない間に肉体関係を持っていることなど。
高校生の時もあった。付き合った人は、その時にとても仲良しだった娘と関係を持っていたようだった。
知るのは、いつも後。今回も。
今回の件を知ったのは3年前。だから、もう乗り越えたものだとばかり思っていた。
しかし、その2人が2人だけで遊んでいるのだと解った時に、ODをしても、友人に泣きついても、覚悟を決めようと思っても、心がちゃんと鎮まることはなかった。
2人の中ではもう過去のこと。僕のなかでは、まだ生々しい事実。
僕は2人が好きだった。憧れていた。精神的な強さを、肉体的な美しさを。
だから、2人が僕よりも先に会うことが辛かった。それを叱られたこともあった。
僕がいけなかったよな、なんて思ったけど、僕がまったく関係ないところで繋がっていた2人。
それをずっと黙っていた。隠していた。僕には関係のないことだから。
姦ったくせに、何も言わなかったくせに、エラそうこと言わないで。
どうしてそんな美しい娘と肉を繋げた後で、僕のようなおぞましいものと繋がった?
責任なんて、他のことなんて、何も考えられないけど、繋がった。僕とも繋がってしまった。
その穢れは、忘れようとも、忘れようとも、絶対に君から離れない影のようにつきまとうだろうさ。
彼女と姦ったことを知っていれば、君と繋がろうなど、そんな方法で役に立とうなど、考えなかった。
元より代償の方が大きそうだとは解っていた。なにせ、二次元でも三次元でも美しいものを見慣れている男など、相手にしたら僕が壊れることは高校の時分より解っていたことだ。
それでも、気に入ってほしくて、好きになってほしくて、役に立ちたくて、無茶なことをした。その結果がこれだから、あの子もさぞや呆れたことだろう。
あの子が、知っているかは解らない。たぶん、僕が知っていることなど、知らない。一生、言わないだろう。自分のことは言わない子だから。
僕はもう知っている。ずっと知っていた。心が膿んでいくのを止められなかった。
君と独立した関係であることをちゃんと解っていたら、依存せずにちゃんと関係を構築できていたら、僕がこんな底まで堕ちなければ、そんな事実があったとて揺らぐことはなかったかもしれないよ。
今はもう全て泡沫のなかの記憶。夢みたいだ。何でこんな目に遭っているのだろう。
僕には力も、覚悟も、何もない。美しいものも持っていない。何の取り柄もなく、身体は醜く、人に捨てられてばかりだった。
大事なものも持ってきていたのに、やり方を間違えた。どこで間違えたのか、遡っても遅いんだ。
僕がこうして後悔して自分を苛んでいると、きっとあの子は呆れて溜め息を吐くだろう。
もう関係なくなったから。僕が悲しんでいても、辛くなっていても、あの子が心配してくれるようなことはない。遊びにくるわけでもなし、話にくるわけでもなし。
それをまた繋げよと、関係を構築していけと、言うのなら、僕は死を選ぶ。
死ぬことで、償いと贖いとが済むように。今の僕にできることなんて、微かもない。
もう、本当にあの子にとって必要じゃなくなった存在が、僕なのだろう。関係の再構築と言われたけど、こんな遠い場所で、どうやって君は僕を再評価できるというのだろう。
苦しいことばかりだ。辛いことばかりだ。
僕は何故、こんなにもあの子を信じることができないのだろう。
喉がすぼまる。涙が零れる。だけど、まだ信じることができない。近付けない。
僕は今までずっと何をしてきていたのだろう。あの子の力になれるだろうかと、何を。
もう力になることすら許されない。何もしちゃいけない。一番いいのは、あの子に近付かないことじゃないのか。
それが違うというのなら、教えてほしい。僕はどうしたらいい。自分で見つけなきゃいけないことなのだと解っているけど、間違ってばかりだ。失ってばかりだ。君はどこへ行くのだ。元から一緒になんて歩いてなかった。だけど、もう死ぬ時に思い出すことができなくなってしまう。
僕は死ななくちゃいけないのだろうか。怖いことばかりだ。
落ち着いていたと思ったら、こんなふうに荒れるのだ。
気持ち悪い。気持ち悪いよ。そんな気持ち悪いものに僕を巻き込まないで。
僕は彼女もあの子も好きなんだよ。ただそれだけでいい。それだけでいい。
嫉妬したくない、羨ましくなんかなりたくない、張り合わなくていい、2人のことは2人のことだから、僕には関係することは許されないの。
ただ、2人に何かできる自分で在りたかった。姦ったなんて知りとうなかった。秘密になんてされたくなかった。2人とも、馬鹿。酷い。
またひとつ、心壊れて朽ちていきます。カウンセリングは再来週です。遠いよ。
こんなに荒れているけど、彼女は何事もなく家事や子育てに奮闘するでしょうし、あの子も何事もなく仕事して友人らと楽しく過ごすことでしょう。
僕だけがいつも二の足を踏んでいる。何かしら気にして動けずにいる。2人がどうやって乗り越えたかは解らない。僕には解らない。
僕が弱いだけかもしれない。僕が駄目なのかもしれない。2人とも好きなら好きでいいのに、どうして許せなくなる。この怒りは、憎しみは、嘔吐きは、何なの。
僕は僕自身で在りたいと願っていた筈だ。
しかし、こんなにも女だ。性の役割を恋仲相手に担うようになってから、堕ちていった心はまた元に戻れない。
子を殺しても、女に裏切られても、男に代替品にされても、まだ女だ。卑しい蜘蛛のように巣の中心で待つ。おこぼれでも何でも、もらえればいい。
これ以上、僕が僕でなくなる前に、死にたい。
ひとつ、またひとつと言葉と心を重ねる度に、僕が崩れていく。
でも、吐き出し続けなければ、僕はもっと違うものへと生き続けることになる。
時々、こうなるんだ。もう大丈夫だと思った次の日、朝起きるともう気分が決まっていて、駄目になったり、良くなったりする。
捨てられたくない、失いたくない、侮られたくない、大事にしたい、忘れられたくない、好きでいたい、僕は僕のままで大事なものを大事といえるようになりたい、そこに男も女も人か者かも関係なく、僕は何かに左右されずに僕の信じるものを信じ続けたい。
それは誰もが当然のようにやってきて、行っていることだ。今頃になって始めている僕がおかしいのかもしれない。もうそれは仕方ない。
苦しい。辛い。喉がすぼまる。窒息しそうだ。
本当は今すぐにでも、痛くないのなら、怖くないのなら、手首を掻っ切って死んでしまいたい。
雨のなかを飛び出して、山へ。境界線を越えて、守護者達の元に還りたい。
僕の居場所はどこだ。自分で作ってきた筈だ。今回はそれを自分で壊してしまった。だから、また自分で作るのだ。そう思ったばかりではないのか。
心の強さを、肉体の美しさを、願う僕の苦悩など、彼女にもあの子にも解らないだろう。解らなくてもいい。もう秘密なんか無しにして。全部を受け入れられるような強さを手に入れるから。そしたら、きっと誰を傷つけることもなく、僕は僕のままでいられる筈だ。
もう自分しか居ない。僕には僕しか居ない。失うわけにはいかない。
君の目を見て話せるようになるには、僕が僕を見つけて成長させて導くしかないんだ。
それは僕にとって、大事なことなんだ。たとえ、君にとっては面倒事でしかないとしても。
だけど、死にたい。喉が絞まる。絞められる。自分が自分じゃなくなる。
死にたい。でも、死にたくなかった。怖いのだ、忘れられることが。
2015/08/26
語る
と、言われても仕方ないほど、死ぬことしか考えられない毎日が続く。
一応、仕事には行っているけれども、行っているだけで、いつも心掛けている「+αの行動」ができない。
言われたことだけをやり、機転が全く効かず、気付けば思考に耽っていて、今日も辛い一日になってしまった。
それら全て、自分の所為なんだけど、どうしてもどうしても偏っていってしまうのだ。
自分の所為で大事なものを失くした、と何度言い聞かせれば済むのか。
何度言っても事実は変わらないし、何も起きない。過ぎてしまったことだから、取り返しなんてつかない。
そんなことをこねくりまわすよりも、これから先のことを考えた方が建設的であることも解っているつもりだ。
だけど、まったく考えが追いつかない。自分の所為でこんなことになったのに、そのことで死にたくなっても仕方ないのに、ついてしまった悪癖はまだ治ることなく、心を蝕み続ける。
これでは馬鹿にされても仕方ない。嘲られても仕方ない。僕はまだ自分に何も許せていない。相手からの許しを乞うから、余計に自分が救われなくなる。
相手に言われたことを頭の中で繰り返す。何度も繰り返す。
しかし今の自分では、その真意など図れはしない。なにしろ落ち着かない。すぐにでも死にたくなるような、異常事態なのだ。
そんな時に考えたってどうしようもない、と相手からも言われていたのではなかったか。
相手と築いてきた関係を壊してまで、僕が守りたかったものは僕だけだった。
そのことが悔しいやら寂しいやら情けないやらで、涙すら出てこない。悲しいけれど、それ以上に後悔しているのだ。
こんなにも後悔したのは、いつ以来だろう。後悔しないように、自分の心が言うとおりに動いてきた筈なのに。また、間違えてしまったのか。
間違えることなど、ざらにある。珍しいことではない。寧ろ正解を選び続けることこそ、有り得ないことだろう。
だから、間違ったのなら、次は正解を選べるようになればいい。それは何の為なのか、次に行く為か、生きていく為か。
僕は、僕の為に、相手の為に、次は正解を選ばないといけないのか。それでいいのに、何故まだ躊躇うのか。
友達でいたいと願った。その通りにできると思った。
相手と自分との関係を保ったまま、自分を変えていこうと思った。
けど、事はそれだけでは済まなくて、相手も意識を変えざるを得なくなった。それ即ち、この関係の変化を指す。
僕はそれを一番望んでいなかった。だけど、やらかしたことがもたらす結果は、そういうことだ。関係を変えてしまうほどのことを、僕が言葉を選ばずにぶつけてしまったのだ。自分が楽になりたいが為に。相手に嘘を吐きたくないが為に。
相手はそれを聞いて尚、僕とまだ友達でいたいと言ってくれた。その為に関係を再構築すると言った。この関係を独立したものではなく、友達に変えていくと言った。
僕にとって、友達というものはとても広義で、曖昧で、だけど必要なものだ。その子は友達の中でも、かなり特殊なところに居た。それを変えるなど、どうしたらいいのか解らない。
けど、そこで僕が文句を言うことは許されなかった。
当たり前だ、自分の所為で関係を切ることになるかもと思って言ったけれど、向こうのおかげで関係を切らずに済んだ。
救われた分際で文句を言うなど、自分の立場が解っているなら、絶対にやりはしないことだ。
だけど、友達でいられるのか? 本当に?
僕とはもう普通に話せないし、遊べないんじゃないのかって、疑う。
それを何とかしていくのが僕の贖いに当たるのだろうか。相手の信用を得る為に。
僕は信用も損ない、関係も崩してしまった、ただのクズだ。そのクズ相手にまだ友達でいたいと言ってくれたことは嬉しいけど、それを「普通の友達」なるものにするのなら、これ以上、何かを言うこともすることも許されない。
その距離は極めて遠く、きっと今までのように話せていたことも、できていたことも、できなくなる。
そうしたら、何が残るのだろう。クラスメートとか、近所の人?
顔を見たら挨拶をする程度の? 近所でたまに会う程度の、そういう他愛もない存在に、なるのだろうか?
「お前の中の友達って何なんだ」と、僕は訊かれるだろうし、僕も相手に訊くだろう。
今までの関係が心地よくて、その関係を強くできるのなら、許してもらえるのなら、僕自身が変わって今度こそって思えた。
それが変わってしまうのなら、違うものになってしまうのなら、君が居るだけなら、それを僕は受け入れるべきなのか。その一抹の慈悲のような感情も、僕は否定してしまうのか。
それが病気の所為なのかは解らないけれど、悲観的になってしまうのです。
今までのことが無かったことになるように、嘘に変えてしまったかのように、僕は胸に穴を開けた状態でいるのです。
それが、自分の責任です。罪です。罰です。でも、そのように悲劇ぶったところで、救済は訪れません。
結局、僕が這い上がらければ、何も届かないのです。相手は僕の言ったことで砕かれたものがあるのでしょう。僕が傷つけた部分もあったでしょう。それを抱えて、僕とまだ友達でいることを選んだ。今までのことをリセットしても友達でいることを選んだ。
関係の再構築と言われても、僕にはどうしたらいいのか解らなかった。
今までのように話せないのに、遊べないのに、どうしたら再構築できるのか解らなかった。
なにしろ、僕は昔よりも変わってしまった。誰かの為に頑張るということができない。頑張りたくても、自分に足を取られる。
君がもう居ないのに、何をどう頑張るのだろう。僕なんかが頑張ってどうなるのだろう。
生きていくことの重みに感じていたけど大事にしたかった、そんな足枷を、僕は自分の足ごと切断してしまったようなものだ。歩いていくための足がもう無い。
相手はもう僕との時間を持たないでしょう。会うこともないのでしょう。
そう思うと、涙が止まらないのです。そうなる為に、そんなことを望んで、僕はまた友達でいたいと言ったのだろうか。
過干渉しないように、もう僕が何もしない方が相手の為になるから、先生に言われた通りに言葉のキャッチボールをすればいいと思うけど、今の僕にはできないのだろう。あの子の話を聞くこともできない。
10年近くかけて、依存してしまった。そのような体制に甘えてしまった。
「依存しちゃだめだ、一緒にいられなくなる」と昔の自分は知っていたのに、ここ近年、辛いことばかりで、離れていく人ばかりで、僕がいつの間にか離れてしまっていた。もう駄目なんだと、諦めてしまった。
どんなことがあったとしても、僕がひんまがった原因がそこにあったとしても、今回のことは僕自身が引き起こしてしまったこと。それは受け入れないといけない。
受け入れて、どうする。次なんて、あるのか。
相手の目を見て話せるようになることを目標にしたけど、また会うことなんてあるのか。
それまで僕の心は生きているのか。死ぬことを何度も想像する僕に、未来なんて。
完全に依存しきってしまうと、相手との関係も、自分の心も壊します。
自分ひとりで立って、歩けないと、相手との対等な関係なんて作れないのですね。
そのことを解っていたつもりでも、自分の辛い体験に心が折れて、本来は巻き込む筈のない人を巻き込んでしまった。
今、僕の側には誰も居ない。一緒に寝られるような人も居ない。寂しい時に手を繋いでくれるような人も居ない。
僕の所為だ。じゃあ死ぬのか。贖いきれないから、死ぬのか。それで何を果たしたつもりになっているのだ。
まだ書き続けなければならない。僕は僕のこと徹底的にばらして、傷を癒さねばならない。
もう誰も居ない。僕はいつ死んでもいい存在だ。誰も居ない。寂しい。僕の所為だ。死にたい。
生きていてもまだ向こうに、光はあるのか。また話せる日は来るのか。ぼくはこのまま死ぬべきなのか。
喉がすぼまる。声がでづらい。
光の人 / ZABADAK
2015/08/18
語る