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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

自分を救えるのは自分だけ。

僕の書いた物語を読んでほしい。
僕の拙い歌を聴いてほしい。
そこに僕の思いだとか、何かが詰まっている。
それに触れずして僕を知った気になっても、大抵の人が間違えている。
時折、触れなくても合っている人も居る。すごい。

僕は認めてほしい、必要としてほしい。
不可視の存在を視ることを、理解してほしい。
同じものを視ろとは言わない。
ただ、認めてほしい。知ってほしい。
僕が何を思ったのか、何を考えていたのか、片鱗を見つけてほしい。

その上で話ができて、言葉がちゃんと返ってくるのって、凄いんだよな。
だから、あの子に拘った。
あの子のことを知りたいと思った。
ほんの二十数年前のこと。

僕は確かに伴侶を得たけど、人間として生きる為のものだった。
僕として生きる為には、いまひとつ届かない。
知ってほしかったけど、届かない。
でも、人間の僕のことは愛してくれる。
じゃあそれでもいい。この人ならそれでもいいんだと思った。

だからって、あの子に愛してくれとは言わないが。
どうせそこまで好きになってくれないし。
まだその段階じゃないだろうし。
僕はあの子よりずっと先から、あの子を見ているに過ぎない。
なのに、あの子は僕の話を聞いて的確に答える。欲しいものをくれる。
僕もあの子に少しは渡せていただろうか。必要としてほしい。

また物語を読んでほしくて、歌を聴いてほしくて、あの子からも受け取りたいのだと思う。
それが自分にとって辛くても、あの子が抱えているものなら。
それは奥さんより大事にしろとか、他の人間に比べてどうとかじゃなくて、僕とあの子の間で交わしたいだけのこと。
誰にも理解できないだろうし、されなくていい。

会って話がしたい。また遊べるようになりたい。
勿論、僕の為。もうひとつ、あの子の為になるように。
ずっと一緒にいられなくてもいいけど、例えば親友みたいなところに居させてほしい。
というか、関係の名称は何でもいいや。
僕とあの子が解っていれば、大事にできれば、それでいいよ。

また失敗したって、また待っててあげるよ。
その分は文句出るから聞いてもらうとして。

君に必要ない人間だって理解している。
何度もそのことで泣いたし、傷付いたから。
だけど、捨てきれない。ともだちでいたい。ちからを貸したい。

頭冷やして、冷静に話せるようになったら、また面と向かって、腹を割って話しましょ。
何度もそうやってきたんだから。
今までどれだけの辛苦を呑み込んだと思っているの。
君に関しては本当に辛いことばっかりだった。
でも、それをして呑み込んでみせることで、君への信頼や愛情を損なわずに来た。
誰にでもできることじゃないと、密かに自慢している。

これだけの執着を見せるのは異常だろう。
依存は何も生み出さないと、他者は眉をひそめるだろう。
それはそれとして、僕は君と話せる日を待っていたいと思う。
辛いのも苦しいのも悲しいのも限界だよ、限界突破して躁鬱の躁状態だよ。
君の味わった地獄の話を聞かせて。

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 たぶん望んでいたのは、そういう関係。
 絶対に切ることの叶わないきょうだいの契りのような。
 盃を交わせば、それは血の繋がりよりも濃く強いものと呼ばれるような。
 そういう関係になりたかった。なれるとは信じていなかった。
 相手が望んでいないことを、最初から知っていた。

 『蝶』を聴いて、僕はあの子の一番の居場所になりたかったと思っていたことを思い出した。
 でも、生涯でそんな願いが果たされるわけないと、すぐに思い直した。
 それを何年も繰り返している。相手は気付いていそうだが、きっと何も言わないだろう。
 口を出すと面倒なことになるからな。

 この現状に他の設定があったら、他の世界観があったら?
 さぞや生きづらく大変な世の中になっていただろう。
 例えばオメガバースのような関係でも、悲劇なんて幾らでも生まれそう。
 それらを共有できるだけの人間なんて、どれくらい居るんだろうか。
 僕の言っていることは大仰で間違っているだろうか。きっとそう。
 でも、そういう夢をずっと見続けている。そういう想像の世界で生きてきた。
 だから離れられてしまう、捨てられてしまう。そんなことも理解し尽くしている。

 自分だけのもの、自分だけの存在、離れていても想い合えるとか、信じていられるとか。
 そういう居場所になりたかった。僕にとってはそうだっただろうか。
 信じていると言ったけど、裏側では信じ切れなかった。
 どうせ他の人間を選ぶから、と。僕には解っているから、と。
 そういう繰り返しを希望と絶望とで何度も味わって、まだ死なない心を称賛してほしい。

 もう死にたい。疲れたわ。僕ばっかり悩んでいるって思ってしまう。
 自分の見えている範囲の物事だけで判断してはいけない。
 そうは言っても見えない。近くに居ない。
 近くに居ないから、こんなことになった。それもあるかもしれない。

 スピリチュアル界隈で言うツインレイとか、運命の人とか、そういうものではない。
 だけど、確かに大事で、共有できたものがあった。
 それより大事なものを相手が作ることも解っていた。

 本当に何度も何度も繰り返したんだ。楽になれる気配は一向にしない。
 期待しても何も手に入らない。元には戻らない。
 じゃあ過去に戻りたいか? 戻れるものなら、戻って話をしたい。
 お前はこれから僕を捨てるんだ、本当に捨てていくんだぞ、と過去を責めたい。
 夢物語もここまで来ると滑稽を通り越して悲惨だ。
 どうしてこんな存在がまだ生きているんだと、皆が不思議に思うだろう。
 僕も不思議だ。壊れきりたい。死んでしまいたい。なのに、まだ生かされている。

 やっと頭痛がしてきた。身体の気怠い感じがやってきた。
 どうしてまだ精神が壊れていない、何で心はまだ痛みを感じるのだと、問うのも飽きる。
 飽きるけど、続く。楽しいことの後も、忘れられない。続いていく。終わらない。

 精神を汚染された。脳を破壊された。トラウマになった。
 責め苦が続く。永遠にも思える問答の繰り返しを内側に押し込んで、日常を過ごす。
 それはきっと相手も同じ。いや、相手のが上手くやっているかもしれないな。
 怒りは虚しさに変わって、今は悔しいと感じるみたい。悲しいのはいつも。
 それすらも同じかもしれないね。そういうとこは重なるのにね。

 番のような唯一無二になれなかった時点で、選ばれなかった時点で、おしまいだったのか。
 それとも経験を積んだ後なら、僕の言うことも少しは解ったのか?
 意味の無い問答がまだ続く。頭痛いし疲れるし、意味無いんだから黙ってほしい。

 何で僕ばっかり。何でいつも傷付いて悲しんでばかり。
 僕のものになってくれないのは解っていたから、そういうこと言わないようにしていたのに。
 依存だ不健康だと外野は言うさ。健常な人々には恐ろしいものだろうさ。
 お前はどうなんだ。そう思っていたから、踏み出さなかったのか。利口だね。

 どうやったら恐れることなく死ねるんだ。
 ずっと相応しくない場所で生きてきてしまった罰も、もう終わりにしてほしい。
 番が欲しい。捨てないでいてくれるものを。捨てられないように頑張るよ。
 あの子に捨てられるなんて思わなかった。いや、思っていたけど。

 大切なものと分かたれた人はこの世にいっぱい居ると思う。
 僕に起きたことも、そういったありふれた別離に過ぎない。
 落ち着いて見たらそれだけのこと。
 でも、それが何だというんだ。救いにならない。

 救われないだろうけど、救われたい。
 報われないだろうけど、報われたい。
 忘れられたくないのに、忘れられてしまう。
 どうして守り切ってくれないの。へたくそ。


 長年続けていた向精神薬を夏頃にやめた。
 あれは確かに服用すると頭がぼんやりして、考えを抑制されるんだけど、その代わり、不可視の子らも視えにくくなる。集中できなくなる。
 その状態がずっと嫌だった。だけど、薬を服まないと精神状態は安定しないし、一度でも「死にたい」と思えば、それがずっと付いて回って、頭から離れなくなってしまうばかりだった。
 それも辛くて、十年近く薬を服用し続けた。すっかり頭はぼんやりして、それでもうだうだと考えては「まぁいいか」とお茶を濁すようなことが続いていた。

 去年の一件から、もうその時の薬では抑えきれないと思った。
 あまりにも激しくて量の多い怒りと苦痛だった。呪っても尚、全身から溢れるようだ。
 思考もすっかりそこに定着し、どうでもいい時にまで思い出してはくつくつと煮え滾る羽目になった。
 だったらもう不可視の子を遠ざけても意味がないと、開き直った。
 薬を服むのをやめて、不可視の子らと僕の思考と力とを受け入れ、狂いきってしまうその時まで生きてみようと思った。

 薬をやめてからすぐに解った。激情と衝動に駆られる時が多く、それをいなすために自慰を以て鎮火に当たるような日々だ。
 自慰行為は何でもいい。自分をいっときでも忘我状態へ導けるなら、どんな方法でもいい。
 均衡をどこで保っているかも解らないけど、危うい場所で生きているのだと解った。

 不可視の子らの存在をすぐに感じ取れるようになった。
 苦しい時、辛い時にその声がより鮮明に聴こえるようになった。前は聴こうとしなければ解らなかったが、今は自然と耳を傾けることができるのだ。
 それは十年前の状態に等しく、懐かしい思いで話をし続けた。

 薬をやめたら人間として生きづらくなる。
 だけど、僕のままではいられる。激情と衝動と感性の壊れた僕のままだけど、誰にも見てもらえなくても確かに存在できる。

 病院に行けば、そりゃ薬を勧められる。
「日常を上手く過ごせないなら、また薬を飲んだ方がいいと思いますよ」
 そりゃあね、そうだよ、だってそれが仕事だもん。お金欲しいよね。お金はこの人に入るのかな?
 薬を服用すると、それだけ本来の僕が閉じ込められる。後で助けようとして、その奔流に押し流される。
 薬を服まず、誰に頼ることなく、生きていけたらそれが最上だ。

 頓服として出された一錠を思い出して、服んでおいた。
 効いてくれているのか、少しだけ衝動が和らぐ。根本的な解決にはならない。
 薬の効果で少し眠くなるらしいけど、今朝見た夢は印象的だったから、あの続きなら見たい。

 頓服として自分でできる方法は、とにかく二次元の、想像の世界に浸ることくらい。
 これはずっと行ってきた方法だから、効果があるのは解っている。小学生の時から、物心ついた時から、絶対にこれだけはやめなかった。
 人から見れば未だ夢を見ているヤバい人、だけどそれでも僕は幸せ。
 だってあなた達はすぐに僕を捨てるから。捨てられた僕が夢を見ることまで規制できる人なんて、誰も居ない筈だ。

 頓服で助かったのは脳だけか、呪いも少しは治まるのか。
 次の世界に早く行きたい。死にたいというより、次に行きたい。
 ここで僕ができる役割なんて、そんなに多くないもの。もう次でもいいじゃないか。
 頓服のお蔭か、躁状態みたいな感じですか。でも、窓から飛び降りるのは怖くてできない。痛いのは嫌だ。

 ずっと壊れたままだから、治し方も解らない。
 人からすれば壊れてなくて、普通で、少しおかしいだけかもしれない。
 僕の中に残っているものが微かなのは、今まで溜めたものを切り崩して生きているからだ。
 いつかその貯蓄までも無くなったら、今度こそ死ねるのだろう。
 次の世界ではもっと仲良くしておくれ。命を懸けて共に明日を生きておくれ。
 きっと素敵な見目の生き物になる。そしたら、そばに居るのも許してもらえるかな。

 死んでも死んでも治らない。傷付いても傷付いても治らない。
 僕の心に罅が入って、不可視の子らの声がして、なのにあの子との思い出は一つも流れ出さず、僕に膿を与え続ける。
 薬でだってこの感覚は抑制できない。僕の心が広がり続けている。

 空の果てで何を考えているのか知りたい。僕に教えてほしい。
 薬が効いてきた。眠い。


 希望なんて持ちたくない。
 将来なんて見えなくていい。
 どうせ光なんて当たらない。
 どうせ救いなんて与えられない。
 何がこの先に待っているかなんて、言われなくても解っている。
 誰かなら、何かを手に入れられる。きっと取り戻せる。
 でも、僕にはできない。失っていくしかないのだと、時間と経験が物語る。

 なのに、まだ繋がっている感覚が消えない。
 こんなものは僕しか持っていない。相手も僕と繋がっていたいなんて、望んでいるわけない。
 なのに、まだ希望を持ちたいと思っている。
 あれだけ傷付いて、空虚な部分ばかりになって、それでもまだ相手を信じるというのか。

 どれだけ裏切られても、忘れられても、僕は相手を憶えている。
 繋がっていたことを、少しでも言葉を交わして本音を貰えたことを、一生忘れない。
 それが自分だけの記憶なんだと解って虚しくなったのに、何でまだ希望を持とうとするんだ。
 いつになったら壊れきってくれるんだ。どうしてまだ信じたいなんて思うんだ。

 何も持てない。選ばれない。忘れられていくばかりだから、諦めた方がまだいい。
 いったい何に? 生きていくのに? 死んでいくのに?
 何に都合が良くて、僕は自分を諦めようとしているのだろう。

 取るに足らない存在だからと、何度この言葉を遣ってきたことか。
 物心ついてからというもの、何度この思考に蹴落とされてきたことか。
 周囲の人間を信じて、縋って、求める度に傷付いてきたじゃないか。
 誰かが記した物語なら、憐れんだ筆者が救いをくれるかもしれない。
 だけど、これは物語の中でもとびきり出来が悪い。僕は欠陥品だと、何度も言っている。
 それでも尚、望みを持とうとする心が憎い。まだ傷付きたりないのか。

 それは物語ならば救われる場面。忘れていないよと、相手が手を差し伸べる場面。
 誰もが感動するだろうその瞬間は、物語にこそ相応しく、僕には与えられない永遠なるもの。
 希望を持ったら辛いだけだし、じゃあ絶望したところで楽にはなれない。
 心が死んでいくのをただ待って、どこかに通じる奇跡を願って、怠惰な生を送るだけ。
 そんなものに残された奇跡って、苦しまずに死ぬことだけなんじゃないの。

 何度、何度、何度も言ったんだ。希望なんて無いと、救いなんて無いと。
 傷付いたって、悲しいって、苦しい、辛いって言ったじゃないか。
 じゃあもう諦めたらどうだ。諦めなければいつか来てくれるなんて、そんなことなかったろ。
 果たされた願いより、潰えた望みを数える方が大変だったじゃないか。
 何でまだ信じようとするんだよ。何でまだ届くと思ってしまうんだよ。
 もうたくさんだ。もうやめようよ。僕は疲れたんだ。希望を見るのは疲れたんだ。

 同じことを何百回も何千回も繰り返した。答えは出ない。傷ばかり深まる。
 解放されない。苦痛も未だ続く。希望と絶望の繰り返しで心が薄く引き伸ばされるようだ。
 何かを手に入れてもすぐに奪われる。すぐに失って、代わりを求めることもできない。
 代わりなんて無い。誤魔化す必要だって無い。
 希望も、願いも、救いも無いって、何度も言っているのに、心に芽生えたものが邪魔をする。

 死んだらそれらも終わりか。僕が苦しむのも終わりか。
 次の世界ではもう少し仲良くできるんじゃないかって、いつも思っている。
 もう逢えないかもしれないのに、確証無くても信じてしまう。
 もう信じるのも嫌だ。考えるのも嫌だ。希望なんて持ちたくない。願いなんて叶えたくない。
 どうせ叶わない。また捨てられる。また忘れられて、手の届かないところへ行ってしまう。

 人の想いは人にとって重た過ぎる。僕はあの子を潰してしまうかもしれない。
 こんな不細工な想いに添えるのは、誰も居ない。人間には無理なんだ。
 それなのに声が、声がする。諦めたくないと、信じたいと、いつか近いうちに会えると。
 もう無理なんだって。相手が動いてくれるわけないんだって。
 そうやって否定して実際に事が起きれば奇跡だけど、そんなものはどこにも無いんだよ。

 僕がどれだけ苦しんだって、悲しんだって、相手には届かない。
 届かなくていいよ。聞こえなくていいよ。いや、本当は知っておいてほしいけど。
 それより君が心配だよ。僕の勘は当たるんだ。何か起きたんじゃないかって、不安だ。
 でも、知ることはできない。近付くこともできない。もどかしい。

 こんな世界じゃなくて、もっと命を懸けられるような世界だったなら、一緒にいられたかな。
 友達って言葉にも、仲間って言葉にも、重みが出たのかな。
 変わっていく日常を恐れることなく、あの子が一緒の方角を見てくれていたらな。
 いつも僕ばかり先に行って、君の知らないことをたくさん知っていく。
 だから希望も持てないんだけど、ここで助けにきてほしいって、何度か思ったことがある。
 きっと君に僕を助けるのは難しい。
 でも、僕に君を助けることはできるかもしれない。
 僕はもう少しだけ人の心に寄り添えるからね。君にはきっとできないよ。

 どれだけ寄り添っても、辛苦を味わっても、楽になれない。悲しいばかりだ。
 それでも心配だから、もう少しだけ生きて待っている。
 報われる日を、願いが叶う日を、希望を持てる日を、懲りもせずに待っている。
 愚かだと思う。もう心がどこにも無いのかもしれない。
 執着し続けて、違うものに変化しているのかもしれないね。怖いだろうね。

 希望なんて持ちたくない。願ったって叶いやしない。
 言葉を尽くしてもこの心は伝わらないだろうけど、伝わってほしい。
 僕は待っている、力になれる日を待っている。


 いつまでも悩んで、苦しんで、辛い瞬間を繰り返して、この輪廻のよーな仕組みがどこまで続くのかと、最近ずっと悩んでいる。
 こっちにも悪かった点があったとして、何でここまで苦しまなければならないのか。
 他者の関係を壊す一因になったからか?
 その身に過ぎた幸福や安堵を手に入れようとしたからか?

 下半身にまつわるあれこれ困った出来事は、何かが終わればすぐ何かが始まる。
 ただの腹痛ではなく胃炎、機能性ディスペプシアと診断され、今度は腰が怪しい。裂肛のような激痛に苛まれ、冷えても飽食でも同様の激痛が起きて睡眠も侭ならない。

 例えばこれが相手からの呪詛だとしたら、存外、悪い気分ではない。
 そりゃ起きていることは辛苦の一言に尽きるが、相手に僕への関心がある限り、相手の精神も侭ならないということだ。
 しかも、一番気にしてほしい子の隣に居る人間が呪詛を送っているってことになるから、その人間にとっては不本意だし、嫌な気持ちで毎日を過ごすことになるだろう。
 あなたではなく、その一番気にしてほしい子に同じ地獄に堕ちてきてほしいのだが。

 一方、これが僕が与えた呪詛が或る程度返ってきてしまっているだけなら、相手方にもそれなりの影響が出ているものと思われる。
 不仲、不妊、周囲の環境の劣化などなど・・・・・・自然に起きたことと思えば運命を呪うだろうが、それがもし作為的に行われたなら、結構な脅威となり得る筈だ。
 干渉したのは環境、空気のような部分。そこを捻じ曲げ、穴を開け、生きた者を引き摺り込みたい奴らが集うと、立派な餌場となることを知った。
 僕がやったのはそういうことだ。

 勿論、これがまったくの妄想だとも思う。人を呪った、成功した、だから不幸になったという充足感のようなものを得るため。
 でも嬉しくもなければ、悲しくもない。そこまでやったって、壊れたものは元に戻らないし、傷付いた部分だっていつまでも膿んでいる。
 それだけのことをしたのだと魂にまで刻んでやらねば、怒りは治まらない。
 妄想だろうが現実だろうが、思い知らせてやりたいと震えるほど、自分を守りたかった。いったい何回傷付ければ気が済むんだ?

 こんなことを、同じことを、何度も繰り返した。十ヶ月の時が流れた。
 そろそろ終いにしたいと願うようになった。疲れてきた。
 人に対して気持ちを向けて、それが激流になればなるほど、使う気力も体力も生半可なものではない。
 昔からそうだった。その時は思春期だからだ早く終われ~と願ったが、これはもう性格だ。
 諦められない。一度でも繋がったものは最後まで繋いでいたいという、奇特な性分なのだろう。
 何であの子にばかり? と自分でも解らなくなってきたが、何かがある。ずっと何かが解らなくて、知りたいから一緒に居る。あの子にも、そういう気持ちが僕に対してあればよかった。

 疲れてきたから赦してしまおうかと思った。
 その時、別の声がした。
「まだ楽にはさせない」
「まだ終わりにはさせない」
 そういう声がした。
 自分の声ではなかったが、怒れる自分の声がしたのかもとも思う。
 なにせ、そこには一人しか居なかった。不可視の友人らは近くに居たが、こういう声がする時は大抵が外ではなく、内からだ。

 僕の内側はまだ燃え滾る釜のようで、ぐらぐらと不毛な感情と一瞬を繰り返す。
 それこそが僕への罰で、いつまでも続く生き地獄だと言わんばかりに。
 誰かを呪った代償をずっと払い続ける。
 でも、そもそも僕だって大いに傷付いて、戻れなくなったわけだが。
 その傷付いた部分を代償として、呪ったつもりなのだが。
 何故また新しく傷付いて、苦しまねばならない。
 その間、あの子は自分の人生を運命だと感じながら、勝手に生きているというのか。
 これではいつまで経っても怒りが醒めない。辛いだけだ。

 僕だけが辛いのは納得いかなかった。相手にも同じような生き地獄を。
 それは周りの人間との軋轢ではなく、僕に対して感じてほしい。
 僕のことをいつも忘れている、選んでくれない、都合よく使って何かの代替品にする。
 それでも、僕は君の味方でありたい。呪ったくらいで君を嫌っただなんて、思ってほしくない。

 どうしてこんなに寂しくて悲しくて、手前勝手な決意を持っているのか、きっとあの子には解らない。
 解らなくてもいいけど、忘れないでほしい。君みたいな関係を作れる人間はそう多くない。
 今でもともだちだって言えるんだろうか。もう何も無くなってしまったのだろうか。
 ここから先何年か経って話す機会ができたとして、以前のようにできるだろうか。

 できなくてもいいんだ、話せれば。いつも新しいものを作ってきたんだから、そうすればいい。
 僕にはできる。君にできなくとも、いつもそうしてきたから。

 今はただ生き地獄で手足を喰われるような日々。何度も同じところから苦しみが始まる。
 もう終わりにしたいのに、何かがまだ終わらせない。どうしてなのかも教えてくれない。
 身体にまつわる不調は深まるばかりだ。殺すならひとおもいにやってくれ。
 来世があるなら、同じことの繰り返しなら、ここでの記憶を持って次に臨みたい。

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