ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録
希望なんて持ちたくない。
将来なんて見えなくていい。
どうせ光なんて当たらない。
どうせ救いなんて与えられない。
何がこの先に待っているかなんて、言われなくても解っている。
誰かなら、何かを手に入れられる。きっと取り戻せる。
でも、僕にはできない。失っていくしかないのだと、時間と経験が物語る。
なのに、まだ繋がっている感覚が消えない。
こんなものは僕しか持っていない。相手も僕と繋がっていたいなんて、望んでいるわけない。
なのに、まだ希望を持ちたいと思っている。
あれだけ傷付いて、空虚な部分ばかりになって、それでもまだ相手を信じるというのか。
どれだけ裏切られても、忘れられても、僕は相手を憶えている。
繋がっていたことを、少しでも言葉を交わして本音を貰えたことを、一生忘れない。
それが自分だけの記憶なんだと解って虚しくなったのに、何でまだ希望を持とうとするんだ。
いつになったら壊れきってくれるんだ。どうしてまだ信じたいなんて思うんだ。
何も持てない。選ばれない。忘れられていくばかりだから、諦めた方がまだいい。
いったい何に? 生きていくのに? 死んでいくのに?
何に都合が良くて、僕は自分を諦めようとしているのだろう。
取るに足らない存在だからと、何度この言葉を遣ってきたことか。
物心ついてからというもの、何度この思考に蹴落とされてきたことか。
周囲の人間を信じて、縋って、求める度に傷付いてきたじゃないか。
誰かが記した物語なら、憐れんだ筆者が救いをくれるかもしれない。
だけど、これは物語の中でもとびきり出来が悪い。僕は欠陥品だと、何度も言っている。
それでも尚、望みを持とうとする心が憎い。まだ傷付きたりないのか。
それは物語ならば救われる場面。忘れていないよと、相手が手を差し伸べる場面。
誰もが感動するだろうその瞬間は、物語にこそ相応しく、僕には与えられない永遠なるもの。
希望を持ったら辛いだけだし、じゃあ絶望したところで楽にはなれない。
心が死んでいくのをただ待って、どこかに通じる奇跡を願って、怠惰な生を送るだけ。
そんなものに残された奇跡って、苦しまずに死ぬことだけなんじゃないの。
何度、何度、何度も言ったんだ。希望なんて無いと、救いなんて無いと。
傷付いたって、悲しいって、苦しい、辛いって言ったじゃないか。
じゃあもう諦めたらどうだ。諦めなければいつか来てくれるなんて、そんなことなかったろ。
果たされた願いより、潰えた望みを数える方が大変だったじゃないか。
何でまだ信じようとするんだよ。何でまだ届くと思ってしまうんだよ。
もうたくさんだ。もうやめようよ。僕は疲れたんだ。希望を見るのは疲れたんだ。
同じことを何百回も何千回も繰り返した。答えは出ない。傷ばかり深まる。
解放されない。苦痛も未だ続く。希望と絶望の繰り返しで心が薄く引き伸ばされるようだ。
何かを手に入れてもすぐに奪われる。すぐに失って、代わりを求めることもできない。
代わりなんて無い。誤魔化す必要だって無い。
希望も、願いも、救いも無いって、何度も言っているのに、心に芽生えたものが邪魔をする。
死んだらそれらも終わりか。僕が苦しむのも終わりか。
次の世界ではもう少し仲良くできるんじゃないかって、いつも思っている。
もう逢えないかもしれないのに、確証無くても信じてしまう。
もう信じるのも嫌だ。考えるのも嫌だ。希望なんて持ちたくない。願いなんて叶えたくない。
どうせ叶わない。また捨てられる。また忘れられて、手の届かないところへ行ってしまう。
人の想いは人にとって重た過ぎる。僕はあの子を潰してしまうかもしれない。
こんな不細工な想いに添えるのは、誰も居ない。人間には無理なんだ。
それなのに声が、声がする。諦めたくないと、信じたいと、いつか近いうちに会えると。
もう無理なんだって。相手が動いてくれるわけないんだって。
そうやって否定して実際に事が起きれば奇跡だけど、そんなものはどこにも無いんだよ。
僕がどれだけ苦しんだって、悲しんだって、相手には届かない。
届かなくていいよ。聞こえなくていいよ。いや、本当は知っておいてほしいけど。
それより君が心配だよ。僕の勘は当たるんだ。何か起きたんじゃないかって、不安だ。
でも、知ることはできない。近付くこともできない。もどかしい。
こんな世界じゃなくて、もっと命を懸けられるような世界だったなら、一緒にいられたかな。
友達って言葉にも、仲間って言葉にも、重みが出たのかな。
変わっていく日常を恐れることなく、あの子が一緒の方角を見てくれていたらな。
いつも僕ばかり先に行って、君の知らないことをたくさん知っていく。
だから希望も持てないんだけど、ここで助けにきてほしいって、何度か思ったことがある。
きっと君に僕を助けるのは難しい。
でも、僕に君を助けることはできるかもしれない。
僕はもう少しだけ人の心に寄り添えるからね。君にはきっとできないよ。
どれだけ寄り添っても、辛苦を味わっても、楽になれない。悲しいばかりだ。
それでも心配だから、もう少しだけ生きて待っている。
報われる日を、願いが叶う日を、希望を持てる日を、懲りもせずに待っている。
愚かだと思う。もう心がどこにも無いのかもしれない。
執着し続けて、違うものに変化しているのかもしれないね。怖いだろうね。
希望なんて持ちたくない。願ったって叶いやしない。
言葉を尽くしてもこの心は伝わらないだろうけど、伝わってほしい。
僕は待っている、力になれる日を待っている。
PR
Comment
最新記事
(04/22)
(04/12)
(03/06)
(01/22)
(10/04)