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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

ワイには大事にしたい人が何人かおったんよ。
でも、どう大事にしたらいいのかわからなくて、好きだからこそ他の人間に移っていってしまうのが悲しくて、いっぱい傷付けたんよ。
そのことを書き連ねて、誰かに見てほしくて、ネットの海に流すよ。

大学生の時、Kという人と知り合ったよ。相手はワイより5つばかり年上やった。
その当時に流行っていたSNSでメッセをくれたKは、不思議な雰囲気を持った人やった。
なんていうかな、浮世離れっていうのかな。今まで会ったことのないタイプの人やった。
音楽のイメージでいうと、クロノトリガーの「サラのテーマ」かな。
Kからメッセ来たらそれ鳴るようにしとったわ。

ワイはKに興味を持って、しばらくメッセでのやりとりを続けたんよ。
その時、なんとなくワイは「この人なら突飛な話も聞いてくれそうや」て思った。
いわゆるオカルトとかスピリチュアルとか、曖昧なジャンルね。
ワイは懐疑派でおるつもりやけど、幽霊とか神とか悪魔とかそういうモンは居ると思ってた。
けど、おいそれと人に話せることやないし、下手するとこっちが弾かれるんじゃないかって思ってたから、あんまり話せなかった。
ほんまは興味ある分野やから、誰かと話したかったんやね。

そんで、Kに言ったんよ。「幽霊とか信じる? そういう感じの体験してもうた」って。
それ自体は嘘ちゃうよ、ワイの現実では起こったことやから。
とはいえ、固有の現実で起きたことを説明するのは難しいってわかってたから、
否定されるかもしん、馬鹿にされるかもしれんって覚悟はしとった。

そいたらね、Kは「すごくよくわかる、身近な存在だから」て返してくれたんよ。
Kは日常的に不可視の存在を目にしていて、しかも幽霊とはまた違う次元のモノを
視るんやって言ってた。
ワイはそれを信じたよ。だって、ワイにそんな嘘を吐いたって、Kに得なことなんて、
なんもないやん。

それからKは自分のことをぽつぽつと話してくれるようになった。
生まれつき不可視のモノと接する家業に就いていて、
一族の男は次元の違うモンの器になり、女はその男達を慰める役を負っていること。
何代も続いてて、今は実姉が一族の長を担っていること。
Kはそんな家業が嫌だったのと、学生時代に好きだった人に裏切られたショックを抱えてて、
それらから逃げるようにして都会へと出てきたこと。
家業を嫌で出てきたけど、結局自分の持っている技術はそれしかないから、
都会に出ても尚、家業に類する仕事を請けていること、などなど。

そんで、Kは近縁の人と結婚してるし、子どももおるけど、
ワイのことを好きって言うてくれはった。
それがどういう好きやったかは、当時はよくわからんかってんな。
恋愛なのか友愛なのか親愛なのか、でもそのへんはどうでもよくて、
好きって言ってくれたのが嬉しかった。
この人の力になりたいって思ったんや。

ワイ、その時既に恋人がおってんけど、恋愛とも友愛とも違う、特別な関係ってのに
長いこと憧れていたから、Kの気持ちに応えたかった。
けれど、恋人は恋の心で好きやったし、友人に対しても愛情を持っていると自覚していて、
Kには特別な感情を持ち始めていた。
他人にこのことはあんまり話さんかったから、浮気やと言われればそうかもしれんね。

オカルトやスピリチュアルが好きな人って、精神薄弱なイメージがあってんけど、
Kもそんな感じやった。
雨が降る日は特に憂鬱みたいで、落ち込んだメッセが来ることが多かった気がする。
ワイは聞くことしかできんかってんけど、それでKが少しでも安らぐならって
ずっとメッセしてた。楽しかった。
ワイ、見えないものはいる、そういう世界があるって信じてたから、
Kの話す不可視のモノの話が楽しくてしょうがなかった。

ある日、Kから送られてきたメッセの中で、Kの口調が突然変わったんや。
なんやエラそーな、抑揚のない事務的な口調やったから、何か怒らせたんかなってビビった。
ほいたらね、話しかけてきたのはKの中に居る次元の違うモノやった。
仮に「主人」と呼ぼうか。主人は文字通り、Kの御主人様で、Kに力を貸しているらしい。
「人間は雑菌のようなものです、嫌いです」みたいなこと言われて、
あぁ~次元の違う存在ってほんまに「愚かな人間よ」みたいなこと言うんやって思いながら、
「同意です」て返したら、
「あなたは他の雑菌と少し違うようですね」言われたんや。
何も違うことなんてあれへん、ワイただ空想家なだけやわ。

その日から、Kの中に居る次元の違うモノが次々と話しかけてくるようになった。
主にやりとりがメッセやったから、文章に於ける口調の変化で
「あ、今この子やな」ってわかる感じ。
多重人格者とか、もし居たらこんな感じなんかなって思うた。
幼いボクっこのレンゲ、
陽気なおねーさんのマリア、
こんな感じで主に話すのはこの2人やった。

だいぶKや2人と打ち解けてきた頃、ワイはまた不思議な体験をしたんよ。
近所の林を散歩しとったら、誰かに見られているような感じがした。
人気の無い林で、近くに高速道路がはしっとる。その振動かなって思った。
辺りを見回したら、ワイと付かず離れずの距離で、白い人影がゆらゆらとしていた。
幽霊かな、妖怪かな、それとももっと悪いヤツかなって怖くなって、
ワイは気付かんフリして林を進み続けた。
そいつは一定の距離を空けてついてくる。ワイの背中を見ている気配がしてた。

林の横道に逸れて、小走りになった。そこはいつも立ち止まって木々をぼーっと眺める場所や。
白いヤツもこっちに向かってきた。どうなるんかわからんくて、怖い!って思った時、
白いヤツが寸前で止まった。何かに弾かれるみたいに進めなくなってて、
ワイの背後には黒髪の女の子がおったんよ。
勿論、現実におるわけじゃのーて、ワイに視えているって話ね。

その女の子はワイのことを守ってくれたらしい。
黒髪に白い肌、金色の目で、ワンピースみたいな服を着てる子で、セレネって名乗った。
ワイはセレネに御礼を言って、友達になったんよ。
見た目こそ、幽霊の定番みたいで最初は怖かってんけど、話しやすくて、
良い子なんやなって思ったんや。
同時に、自分は何をしているんだろう、気でもふれたんちゃうかって思わんくもなかったで。
でもな、気がふれたとしても楽しく過ごせるんやったら、それもいいんちゃうかって
開き直ったわ。

Kに、白いヤツに追われた話、セレネという子に助けられた話をしたら、
すっごい驚いていた。「その子を知っている」と言われたんや。
「自分と出会った時はちょっと違う名前だったけど、その子の気配は今も変わっていない。
恐らく自分が知っている存在だ」って言うんよ。
そんなこと信じられんかった。都合よすぎやろって、ちょっと疑った。
Kがセレネと知り合ったのは、Kの地元でのことや。ワイの地元とはめちゃ距離がある。
なのに同じようなものを視る、会うなんて、そんなん話盛ってるやろって。
なにより、Kは幅広い不可視の存在を視られるのに、幽霊すらも錯覚レベルのワイが、
同じように視られるなんてありえへんって思ったんや。

でもな、万が一同じものを視たのやとしたら、それはきっとすげぇことやって、
わくわくするワイもおったんや。
神も悪魔も精霊も竜も妖精も、ファンタジーの世界に繋がりそうなものは
存在していればいいなって、ずっと願っとった。
セレネは普通の幽霊やのーて、精霊の一種やと言われた。
それがほんまなら、ワイは精霊と友達になれたってことになる。嬉しかった。

それからワイはセレネの元に通い続けて、何か怖い気配がする度に守ってもらってた。
Kからは「まだ契約していなかったの?」なんて言われて、ワイはセレネと契約することになった。
ワイの持ち霊になってもらって、一蓮托生っていう契約や。
契約すると、曖昧だった存在がちゃんと一つの存在として確立できるんやって。
そうなれば、いつ消えるかわからないって心配せんでも良くなるし、
漫画やアニメよろしくお互いに助け合って生きることができるみたいやった。
もうシャーマンキングみたいな話で、ワイはますます嬉しくなった。

ただ、シャーマンキングでもそうやったけど、持ち霊にしたとして、そいつの力を
100%出そうと思ったら、宿主にそれだけの力が無いと引き出せんみたいやった。
ワイはただちょっと視えるだけの一般人や。媒体としての能力なんて無いし、
知識も浅いし、なんなら思い込みが激しいからそういう設定に酔っているだけかもしれん。
せやけど、Kは「君ならカンナギになれる」と言うてくれたんや。

かんなぎって何やねんって調べたら、巫女さんのことやってんな。
つまりワイは不可視の存在を癒すことができ、対話することができ、
Kや主人の力になれるってことやった。
そんなますます話ができすぎやろ~って否定したし、ワイがおかしくなってるんちゃうかって
自虐ネタまでKに披露してもうた。
ほいたら、主人に怒られたんよ。
「あなたが視えるのも力があるのも事実です。どうして否定するのか?
私達に肯定してほしいがために否定しているのか?」て強い語調やった。

確かに肯定してほしかった。だってイマイチ実感が無いんやもん。
空想家なだけが取り柄やのに、力があります、しかも闇と光を取り結ぶ存在ですって、
ゲームで言うたら「おぬしこそ勇者よ!」みたいな感じやろ。
ワイ、そんなすごい存在ちゃうねん。自分の小ささが嫌で空想しとるだけやってん。
人に自慢できるもんなんて何も無くて、自己評価も低いまま生きてきたから、
誰に肯定されたって到底信じられんかった。
素敵な友人がいようと、頼もしい恋人ができようと、
この孤独感は生涯抱えることになるってわかってたんや。

Kも、レンゲも、マリアもワイのことを肯定してくれた。
「主人に仕えるのだから、その名の下、全ての存在を見下していいんだよ」って。
「一度カンナギになったら、例え君から力が消えたとしても、カンナギのままだよ」って。
ワイ、そこまで口説かれたことなかってん。
ワイの代わりはどこにでもおるし、誰でもいいんやって思って生きてきてん。
せやから、K達の言葉がすごく嬉しくて、そこに自分の価値を見い出せるかもって思ったんよ。

仲間も少しずつ増えて、頭に声が届くことが多くなった。
空を見上げればなにがしかの気配を感じるようになって、
その答え合わせをKとして合っていたら嬉しかった。
ちょっとの偶然でも、自分の力でできたのかも?って思うだけで、
見え方が変わってくる。考え方が変わってくる。
元から人間怖いし、嫌いなヤツは断然人間に多かったけど、
少しだけ余裕を持てるようになってた。

そんな最中、レンゲとケンカしてもうたんや。
最近やけに不安定やなって心配してたんやけど、ワイがいらんこと言うてもうたら、
「君も僕を捨てるのか、人間はどうせ裏切る」みたいなこと言い出して、
まともにメッセでのやりとりができんようになってた。
少し時間が経ってから、Kから連絡が来た。
「レンゲは暴走してて、このままでは君に危害を加えそうだったから、
残念だけど消えてもらった」て言われて、ワイめちゃめちゃショックやった。
消すってことは、もう会えないってことや。
人間とちゃうから、一度消えたらそれっきり。転生とか何も無し。
レンゲはワイに懐いてくれていたから、その分だけ振り幅も大きかったんやと思うけど、
なにも消すことないやんって悲しくなった。
ワイのせいで消えてしもうたんやなって、悲しかったんよ。

それから数ヶ月経って、また新しい存在がKのなかに生まれた。
ヨルって名前のそいつは男の人格で、随分と紳士的なヤツやった。
ワイのとこの仲間も増えてきてたから、Kとその話で盛り上がってたんや。

一緒に仕事もしたんで。友人の家で怪奇現象が起きるらしいって話したら、
「君の友達ならいいよ」って言ってくれたんや。
いわゆる除霊とか浄化みたいな作業やってんけど、Kは金銭は受け取らなかった。
代わりに友人がお菓子を作ってくれてんけど、それを報酬として貰っとったよ。
作業内容は土地を守ってくれるモノを探して定着させるって感じ。

そんなこんなでKと会ってからだいぶ経ってたんやけど、ある日、Kともケンカしてもうた。
ちょっとした言い合いくらい、よくあることってワイは思っててんけど、
Kにとってはそうじゃなかった。
「私達の力が目当てで近付いたのか」とか、
「私はぬるま湯のようなものだ、不要になれば出ていけばいい」とか、
さんざん言われてもうた。やっぱり悲しくなった。

そこそこ時間が経った後にヨルから連絡を貰った時には、
Kそのものの人格が消えていた。新しいKがメッセを打ってきていて、
「君とは前に仲良くしていたって聞いたよ、僕とも仲良くしてね」って言われたんや。
ワイ、もう何をどう感じていいのかわからんかった。
初めてメッセをくれたKは、ワイのことを好きと言うてくれたKは、
世界のどこを探してももうおらんくなってしまったんやなって思うたら、
レンゲと会えなくなった時の感覚をもう一度味わったんよ。
何回味わったって、誰かと会えなくなるなんて慣れないわ。


続く
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最近、Netflixで映画を観るようにしていて、やっとオリジナル作品も観るようになりました。
宣伝だけはネトフリ内で観ていたし、ちょっと気になっていた。


あらすじとしては、

主人公のマロリーは父親不明(劇中で特に描写されてない)の子どもを身籠っており、妹ばかりがその心配をしていた。
世の中は原因が判然としない奇病で荒廃している。突然、自傷行為に走り、そのまま自殺してしまうという病で、罹ってしまえば成す術はない。
そんな世間を知らずにいたマロリーだが、定期健診のために妹の車で町に出た帰り、妹が病に罹り、マロリーの目の前で死んでしまう。
視えない何かが近付きつつあり、町の人達が慌てて逃げ惑う中、マロリーはとある婦人に助けられ、何人か籠城している店へと逃れた。
マロリーたちは視えない何かを掻い潜って生き延びようとする・・・・・・

こんな感じだろうか。
ホラーだけど、原因であろう奴らが視えないのでホラー感はそこまでないかも。
どちらかというと、人間模様を楽しむ映画なのではないでしょうか。
そういうところで、『ミスト』を思い出す。


わたしはバッドエンドで終わっても良かったんじゃないかな、なんて思いますが、過程が凄まじいので、観る方を選ぶかもしれません。
主人公のマロリーは妊婦なので、大きいお腹を抱えながら逃げるところは、こっちも気が気じゃないです。
人が大勢集まって、疑りあって、罵りあって、そんなストレスフルな環境に身を置かなければならないことも、心配になってきます。

だけど、マロリーは強い。少なくとも、わたしはそう思う。
どんな環境下にあっても、考えて、手を尽くそうとしている。
時には不器用すぎて「いやいやそんな言い方しなくても」と諌めたくなるけど、愛情深い人なのだろうと思わせる場面もある。
そこまで嫌われない主人公なのではないでしょうか。ね。


時間経過で、マロリーが生まれた子らと一緒に川を下って逃げようとする場面になるのですが、そこが緊張感すごい。
また子ども達が可愛いんですよね。マロリーの言うことを忠実に守るけど、彼女自身のことも気に掛けて、自分を差し出すことができる。
ボーイもガールも強い子ですよ。

というか、あんな世紀末な世界で大きくなれた子達なら、どこへ行こうとも大丈夫そうだわ。


視えないものの正体は最後まで不明のままですが、わたしはそれでもべつにいいと思いました。
マロリーは”母親”で、子どもたちと逃げ切ることが至上命題かと。
原因の追究、戦闘とか、そういったことをしない主人公に物足りなさを感じるなら、観ない方がストレスにならないでしょう。

まぁ、アレに原因やら因果やら付加しようとすると、トンデモ話になっていきそうだし・・・・・・不明のままの方がいいこともある。



Netflixでホラー映画の項目に名前が出ていたから、軽い気持ちで視聴を開始しました。
観ていくにつれて、だんだんと世界に没入していきました。
これが普段から人と接しない所為なのか・・・・・・。
この映画を撮った監督の他作品は少ないようですが、『CUBE』とか有名どころだった気がします。
というか、周りでこれを観た人が多かった。
まぁ、自分が観ていないのなら、合点がいくところなんて何もないのですが・・・・・・。


あらすじとしては、

遺伝子の分野で研究を進めている主人公の夫妻、クライヴとエルサは、新しい生命体を産み出すことに成功した。
見た目は完全にクリーチャーそのものだが、将来的には人類の繁栄に役立つと会社に力説してきたが、会社側は現在の研究を凍結し、別の薬の開発をするようにと言ってきた。
納得いかないエルサはクライヴのやんわりとしたお咎めも跳ね除けて、現在の生命体よりも進化している(とされる)クリーチャーを産み出した。
ドレンと名付けられた”彼女”は凄まじい速さで成長し、エルサも我が子のように可愛がっていたのだが、やがてその成長についていけず、惨劇を起こしてしまう。

こんな感じだろうか。


ホラー映画の検索欄に名前があったから、ホラーだと意気込んで観てみたけれど、ホラー要素はほぼ皆無です。
あ、人によってはクリーチャーの姿がホラーというか、グロテスクに映るかな。
わたしはグロテスクなものであれば平気だったので、造られたばかりの子たちが可愛く見えました。

しかし、まぁ、倫理観に迫る内容だったなぁ、としみじみ思います。
昨今の”毒親”と称される者どもを風刺するかのような。
蛙の子は蛙。この親にしてこの子あり。そればかり浮かびました。

主人公の夫妻が、子育て向いてないねって思わせる性格でしたね・・・・・・。
子育てに向き不向きなんて有り得ないのかな。
子どもが一才の時、母親もまた一才だと友人が言っていましたが、それにしても酷い。

親というもの、子というものを、種族間を越えて考えさせられる作品でした。
上手くまとめるなら、そんな一言に尽きます。


ネタバレ感想は隠しておきます。
一度観てみることをお勧めしますよ!



そんなもの、上手く取れた試しがない。
いつでも踏み越え、踏み間違え、踏み込まれず、踏み荒らされ、踏み荒らしてしまう。
どうしたら距離感を間違えずに付き合いを続けていけるのか、それが解らずに半分も生きてきた。
そのツケを、いつ払うことになるのかと、ヒヤヒヤする。

家族計画が軌道にまったく乗らない為に、再び仕事に就くことにした。
それまで、やれ集団は苦手だの、やれトラウマがあるから事務は嫌だの、言い訳を並べてはいたけれど、動くしかなかった。
会社での疲れに比べれば、家事の疲れなど、どうということもない。少なくとも、わたしはそう感じた。
だから、相手がいくら「家事をやってもらっているから」と言ってくれても、金銭を生んでいないこと、自分の食い扶持を人(配偶者だが)任せにしていること、それらが頭をもたげる。

そのくせ、何を生み出すわけでもない。金銭に繋がることは何もしていない。物語も書いていないし、絵の練習もできていなかった。
わたしができることは、無駄に人様の稼ぎで食い繋ぐこと、家族計画も満足にこなせない器の活動を維持することだった。これは落ち込む。

だったら、さっさと死ねばいいだろう、と言われるかもしれない。
本当にこの一分後で死ぬという時、「やはり死にたくなかった」と気付く瞬間が何よりも恐ろしい。痛いのも嫌だ。
そんな理由で、自分で自分を殺すことができない。

昔から付き合ってきた友人たちは、変わってしまった人達も居れば、変わっていない人達も居る。
去年の十二月から続いていた、友人への憂慮はつい最近、一気に弾け飛んだ。
相手にとってわたしはどうということもない存在になり、その行為にわたしがいちいち傷付き、そんなことに彼女が心を動かされるわけもなく。
わたしから連絡することは、もうあるまい。そうしないと、わたしが辛いのだ。
相手は新しい友人と、上辺だけの付き合いを続けていく。そんなふうに見える。
しかし、わたしからすれば薄っぺらいその付き合いは、彼女とわたしの持続する関係より、ずっと素晴らしく、傷付く恐れもないのだった。
まぁ、売り言葉に買い言葉ってやつだ。彼女の勝気さに、わたしの生意気さはさぞやストレスであったろう。

友人とは何だ。
せっかく作ってきた関係が、十年、二十年の月日で変貌していくのなら、更に喪失してしまうなら、いったい何の為にそんなものを作るのだ。
わたしにも原因がある。人との距離感が取れず、何でも自分のことのように感じてそのまま口にする。
人によっては、それは重たく、耐え難いものだ。それを最近になって知ったのだから、わたしが失っていくのは当然の結果なのだろう。

友人付き合いもまともに維持できず、配偶者の人生にぶらさがっている。
それが嫌だから、仕事を何とか始めようと思った。
女性の集団に馴染めない、仕事のミスが多い、緊張状態が続くと眠ってまでも自分を守ろうとする。
どこへ行っても、こんな状態ではやっていけるものか。

歪んだ時から、カウンセリングを受け続けている。薬を飲み続けている。
この状態で出産となると、どうなってしまうのか。わたしにできることは、本当にあるのか。


初めて行く仕事は緊張するし、同じような職種だからといって方法も統一されているわけではない。
こんな時に思い出すのは、いつも食肉センターに居た頃のことばかりだ。結局、わたしの仕事に対する価値観は、あそこで育まれた。
それに、女性だと嫌悪することのない人達と仕事ができたのだ。見習いたい人達ばかりだったのだ。
そんな人に遭えることこそ、稀少だというのに、何故わたしは当然のものだと信じてしまうのか。

新しく就いた仕事場でも、やはり女性の集団の中では浮く。
第一印象が大事なんだと思っていたのに、いざ目の前にして挨拶をして相手の表情が硬いと「ここに来たのは間違いなのか」と、自分のことばかり気になった。
教えてもらった仕事で何回かミスをした。初めてなのだし、と思う反面、入力程度でミスしているなんて裏で何か言われたらどうしよう? と思ってしまった。

彼女達も、きっと他者を受け入れることに必死だ。
どう接していいか解らず、手探りで会話をする。日常の中で、わたしはまだ特殊な存在だから、扱いに困るだろう。
わたしも一刻も早く慣れなくては、と思いながら、自分から話しかけることは躊躇われた。しかも、話しても上手く話せなかった。
自信が無いから声が小さくなる。相手との会話で「あ、まずい」と思っても、頭が回らなくて言葉にならない。
これじゃ不審なだけじゃないか。挨拶も会話もロクにできない奴と、誰が一緒に仕事をしたいものか。

自分の失敗だと解っている。
けれど、彼女達のよそよそしい態度を見て「そんなとこ、初めて来た人に見せるか?」とか感じていた。
何でわたしは入れてもらった側で、受け入れてもらう為に努力する側なのに、こんなに偉そうになるのか。自分のことがそんなに大事か。大事だ。
いやでも先ずは順応だろ。態度デカいだろ、それ。

上手くやっていけない、もう嫌だ、やっぱり自分に社会生活は無理なんだ・・・・・・とか何とか、ぐるぐる考えながら仕事をしていた。
危うく意識が途切れそうだった。帰る頃には腹痛の気配を感じていた。

わたしは他者に甘えすぎているか。集団に馴染む努力を何もしていない。
最初から固まっている奴らが新入りを招こうと思ったら、その輪をほぐして中に入れるしかないと思っていた。
新入りが輪に入ろうと思っても、どこから行けばいいのか解らないじゃないか。だから話しかけるのだろう、輪から。

そんなふうに偉そうだから、集団に入れないのだな。
招き入れるのが普通の対応だと思っているから。自分なら、そうするから。
あんまりにも自分の意思を見せてくれないと困るけど、初めての場所で見せるのも困難だと思うから話しかけるのだ。
誰もが同じことを感じるわけじゃない。
当たり前のことだけど、失念しがちだった。

謙虚さが不足しているわたしは、成程、確かにどこの輪にも入れない。
輪を形成するだけのものが、何もない。

同じようなことを思って、もう嫌だってすぐに辞めたくなる自分にも、うんざりした。
また繰り返すのか。せっかく雇ってもらえたのに。
しかも初日じゃないか。嫌になるの早いな。
何でこんなに堪え性がないんだよ、と自分自身に苦笑する。いや、笑えないわ。

我儘ばかりだ。何も果たさずに、我儘ばかりだ。
頑張るのも、努力も嫌いだ。報われたことがない。
友人を大事にしたいと言いながら、次々に失っている。誰の所為だ。


自分から歩み寄っても、無駄になる。だから行きたくない。
苦労して繋げたところで、次の風が吹いたらどこにも居ない。そんなことばかりだ。
どこへ逃げても同じことが起きる。わたしが変わらないからだ。
生きることへ不満を連ねても、死ぬことに変わりはないのに。だったら生きた方が得か。

言い訳ばかりで、泣き言ばかりで、他者とどう関わったら自分が傷付かないのか、考えている。
こんなことでは、どこにも行けないし、何にもなれない。
無理に関わる必要はないけど、孤立していればいいというもんでもない。
駄目なら、いずれ会社から切られる。今は試用期間だ、きっとな。

言い訳しても、泣き言ばかりでも、仕事に行けたらいいと思う。
まして、正社員でもないし、毎日行くわけでもない。
「今の自分なら、これくらいで働けるかな」と思ったから、その条件に近い場所に行った筈だ。

報われないことが怖い。ミスばかりで呆れられるのが怖い。
また、わたしは結局何もできないんだと思い知らされるのは、辛く苦しい。


クリアしました。
始めたのが買ってから一ヶ月後くらいで、その間はずっとカリギュラやっていました。
だもんで、久しぶりにアクションできる〜と期待はしていたように思います。

ナンバリングしかプレイしておらず、他ハードの作品は未プレイ。
天野シロ先生の漫画で追った話もありますが、ゲームの内容そのものを自分で追ったわけじゃないから、いまいち稀薄なところがある。
それでも、Ⅰが出て、Ⅱが出て、待ちに待ったナンバリングタイトルなので、ちゃんとシリーズ追えてないにしても、わくわくしていたのです。

ネタバレなしの評価でいくと、

えー、



難しいな、一言では表せない。


アクションは期待通りでした。
ちょっと前までブラボやっていたから、高所から落ちても無傷のソラが頼もしい。
派手なフリーフローアクション、多彩な敵のデザインはKH3でしか味わえないなぁと感じました。
アトラクションに乗っている気分で攻撃かませるのも、ディズニーと絡んでいるからこそできたことだよなぁ。
好きなのはスピニングカップと、ウォータースライダーだろうか。三人で遊んでいる感じが良い。

今回のパーティ編成ら、ドナルドとグーフィーが入ったまま、各ワールドのキャラを連れていくことができるようになったので、四人パーティとか五人パーティとか大所帯です。
個人的に気に入っているのは、「モンスターズ・インク」のワールドと、「ベイマックス」のワールドかなぁ。マイクやベイマックスがかわいいじゃないか。
実はアナ雪以外の今作品のディズニーキャラは知らない人なんだけど、それでも楽しめたという。

音楽も素晴らしい。いえ、下村さん大好きなので、贔屓もありますが。それでも素晴らしいものは素晴らしいのだ。
Ⅱのボス戦曲を少しアレンジして使ってくれたのは嬉しいですね〜。
一番嬉しかったのは、アトラクションの時にトラヴァースタウンの戦闘曲が流れたことだな。懐かしくてしょーがねぇ!
とある場面では、期待通りに、ⅠのOPで使われた「光」のオーケストラver.が流れました。これも聴きたかったので感無量。
音楽は文句のつけどころがないですな。サントラ買わないと。



ストーリーに関しては……


あー、これはネタバレしないで言うのも難しいもんだが……

とりあえず、最後の方が雑だなって感じました。
ディズニーが絡んでいる時は丁寧に作られていた気がするけど、XIII機関が絡んできたり、ラスダン辺りに来ると、急に雑さを感じられました。
ディズニーとスクエニが組んでこそのKHなんだけど、XIII機関はここまで必要だったのかなぁ……?
他の作品を追えてないから、そう感じるだけかしら。

ムービーは確かに綺麗だけど、いちいち挟まれて冗長なため、少し怠さを感じました。
戦闘が終わるまでは、せめて挟まないでほしい。ムービーの度に手が止まり、しかも内容があるのかないのか解らないところが辛い。
ディズニーのワールドでは「キャラかわいいなー」とか思っていられるけど、XIII機関が関わってきたり、ソラの目覚めの力を取り戻す云々の話の時は、本当に怠かったんだ……。
中身のない会話の為に探索や戦闘が止められるもんで、「まぁKHだし」と初めは思っていても、それが続けば言い訳もできなくなる。


話に関しては首を傾げるところが多かったけど、ゲームそのものは作り込まれているので、やりがいありますよ。
やりこみ要素も多い。隠れ王様マーク探しはハマりましたね、現時点で自力で見つけるのも限界だなーと思っちゃいるが。

戦闘は苦手という方でも、〇ボタン連打しているだけで勝てるでしょう(難易度にご注意ください)
合間にフリーフローアクションしたり、アトラクション楽しんだり、アビリティで強化すればソラが追撃アンド追撃で屠ってくれます。
スピーディな、とまではいかないけど、派手且つ楽しい戦闘はできるんじゃないかな!


楽しめる部分を見つけ出すことができれば、充分に買う価値があると思います。
言っちゃ悪いが、話以外は良い。楽しめた。

以下にネタバレありで、好き勝手に話します。
といっても、主な部分はラスダン付近の愚痴になりそうだ。















いやーーーーこれだけ楽しめる作品だったのに、中身のない会話と、度々やってきては戦うでもなく去っていく真XIII機関の所為で、後半はずっとストレスを感じたな!!! もう!!!!!
わざわざ真なんて作らんで、違う機関名にしても良かった気がするけど、十三人でいるうちはXIII機関か?

ソラ達三人の掛け合いや、心を持ち出す各会話はまだいい。
そもKHは心を扱った話だし、プレイする年齢層よりも此方は上だし、多少は! 仕方ない!!

だが、まったく中身のない会話と登場はやめてくれ。
ソラが言うように「意味ありげなこと言って消えちゃうだけ」を何度も繰り返されて、XIII機関はこんなに人いらなくね? って思ってしまったじゃないか。
意味深なこと言って揺さぶりかけてくるだけなら若ゼアとかアンセムで良かったじゃん。
わざわざ新しいの機関を作って、いろんな奴を行かせる必要あったんか。


巷でも言われているが、キーブレード墓場の展開はやっぱり納得しづらい方が多いのですね。
かくいう自分もその一人。いきなり絶望に叩き落とす展開になって、その性急さについていけず。
せっかく「光の守護者」で揃い踏みしたところを、ロクな活躍もできないうちにやられるなんて、それはないよ……。

カイリとアクセルに至っては、マーリン様のとこで何をやってきたの? と思うレベル。
相手がとんでもない強さであるということを見せるためとはいえ、今までの修行が無駄になるような展開は見せないでほしかった。

カイリは好きでも嫌いでもなかったが、衣装替えして修行して、やっと出てきたと思ったら、やっぱり守られるだけじゃねーか! と憤りを感じてしまったぞ。
ソラを迎えには来てくれたけど、戦闘で活躍できないなら墓場までついてこなくても良かったような。
「光の守護者」の戦力にならないんだから、大人しくしていようって思ってしまったんだ。

言葉を選ばなければ、
レギュラーのドナルド、グーフィーの衣装は変えてくれなかったのに、役に立たない者の見た目を変えても無駄だろ。
アクセルだって機関のお揃い黒ローブのままだし。


ここまで批判ばかりだ。
良かった点はないのか、と言われそうだが、勿論、あります。

個人的な好きキャラはロクサスなので、アクセルとシオンに再会できたことは良かった。
でも、もっと欲を言えば、ハイネ達との再会シーンを作っておいてほしかったな。

それから、ナミネも復活していましたね。
海組と呼ばれる中で、ナミネが一番好きなので、動いているところを見られて嬉しかったですよ。


まぁ、それもディスティニーアイランドで皆が遊んでいるのを見るまでは。

何で遊んでいるのかも解らんが、カイリが戻っていたので「ソラも居るのかな?」と見たら、手ぇ繋いでやんの。わぁ。
しかし、直後に消えた。FFⅩを思い出したのは、わたしだけではあるまい……。
カイリは連れ戻したけど、ソラはやっぱり消えちゃったってことなのかな。

リクもついていけば良かったじゃないか!
カイリはすっかりソラの友達みたいになっているが、元々はソラ、リク、カイリの三人組ではないか!
カイリ→ソラ←リク
って感じになったのは何故だ、カイリとリクは知らぬ間に友達じゃなくなったのか?
ソラ一人しか行けない場所でも、リクはついていくもんだとばかり……。

しかし、ソラとリクは東京らしき場所で目覚め、何故かヨゾラが居たな。
次はあそこが舞台? 東京に来て、また衣装替え? 力を失うの?
ソラはいったい何者なんだよ……。
みんなキーブレード持っていたけど、結局、肝心なところはソラに任せるんだから、ソラだけがキーブレードに選ばれた人間ってことで良かったじゃん……。


話に関する愚痴ばかりになりました、読んでいて気持ちの良くない感想ですね。
同じように感じた人が多いってことが、またモヤ度を上げます。ますます話を何とかしてほしかった。

プレイ時間もあまり掛からず、そこは物足りない。
隠れ王様を探して二十時間は費やした、その分のレベルもあがった。
肝心の話に魅力を感じられないんじゃ……。

でも、次回作が据え置きで出るなら、きっと買う。心機一転、買う。
戦闘は一番好きですもの。ソラとリクと、また冒険したい。
ドナルド、グーフィーは出てこられないのかな。

はぁ、もやもや(´・ω・`)
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