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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録
ちょうど以前の満月の時か、こんな時間に外に出て、ゆっくりと小さな丘を目指した。
驚くべきことに、こんな時間の、こんな時期でも人は歩いているものだ。殆どがじいさまだったけど。
自分一人しか歩いてないと思っていたから、道行く先に人影を見つけては、構えた。向こうもかなり驚いたとは思うがね。

以前の日記より三ヶ月しか経っていなかった。
それでも状況は激変したと自ら捉える。
僕は均衡を保てなくなった。もとより危険であったが、それはより顕著になり、言葉の半分以上が虚ろなものだ。
心の問題について、人に話せなくなった。どうせこの人も離れていく、理解しようとしてくれないと思うと、口から次いで出ていくのは上滑りというか、意味のない単語ばかりになった。

僕の状態が悪化しようとも、その心根に何が潜み腐っていこうとも、周りの関心を引くことはない。
それが正しい反応だ。人間が生きていく為に必要なものなんだ。抱えられる荷物の質と量は決まっている。

だけど、それでは僕が納得しなかった。わたしは諦めるしかなかった。
不安定になり、言葉と思考は尖り、孤独感は増し、己の不甲斐なさに呆れ、奥底にあった独占欲の復活に頭痛がする。
僕もまた、いつかの姉さんのように諦めるのか。その方が楽だし、生きていけるから。
どうやって生きていたいのか、今となっては夢にすら出てこない。

友人のネット付き合いに伴い、稀薄になった現実の関係を嘆いて、傷付いて、とうとう自分から話しかけるのをやめてしまった。
元からあまり人の話を聞かないひとだったけど、それにしたって対応が酷い。
そのくせ、ネット先での関係には注意して、楽しげにしている。
今まで辛かったのだから、好きなことを優先したらいい。
だけど、現実に友人を支えてきたものを、彼女は忘れていったのだろうか。
そのなかに僕が居ないことは明白だ。やりきれないな。

大事なひとに大事なものができて、それを喜ぶ反面、昔から気にしていたこと、許せなかったことが溢れてしまった。
もうその大事なひとに近付くことすら、痛く、怖いのだ。これまで幾度となく話を聞いてもらい、助けてもらって、今度は此方の番だと思っていたというのに。
昔から、恋とやら、僕から大事なものを奪っていくんだ。だから嫌い、虫唾が走る。
優先されるべきは恋人という風潮で、それまであった友愛や親愛の情は恋慕以下と捉えられるが、世の習いだ。
では、今までの経験は全て、恋人とやらができるまでの予行演習だったとでも?
そんな人間関係の踏み台になる価値があったとは、自分に驚きだ!

怒りが治まらず、かといって誰かに話すこともできない。
伴侶からは「もっと強くなってほしい」と言われてしまった。そういう問題に捉えているのか。
強くなるとはどういうことだ、物事に鈍感になればいいのか?

僕は自分のことを理解してほしくて、言葉を尽くして語っていた。
聞いてくれる人は居たし、そのお蔭で築けた関係も少なからずあったろう。
だけど、満たされない。満たされずに来た。

生死を懸けて冒険すれば、本当の仲間はつくれると思っていた。
平穏の上の友情は瓦解しやすく、ともすれば虚構になるのだから、お互いの心理を追い詰め、本音を出さなければ信用できないと思っていた。

十年前と比べて、僕のチカラは弱くなったと感じている。
姉さんが居ない影響か、薬の影響か、守護者たちは相変わらず居てくれるけど、自分が解らなくなる時がある。
人間とも繋がれず、守護者とも離れてしまったら、僕は何処に行くべきなのだ。

帰りたいと思う。
自分の帰るべき場所は、ずっと前から解っている。
皆、裏切る。捨てゆく。忘れて、去った。
恋人とやら、僕を殺しにくればいい。割礼でも施せば、少しは気も紛れるだろう。
ネットで繋がるのは、手軽で安心か。かつて、僕らもそうだった。ネットから繋がったものだが、正面からぶつかれないのなら、姿の見えない隣人に過ぎないな。

愚かなのは僕だ。けど、そうさせたのはおまえ達だと、責めたい。
こんなにも壊れたのは僕の責任だが、キッカケはおまえ達なのだと、責めたい。

いつでも向き合うつもりでいたけれど、僕の言葉は強すぎた。いつも相手が居なくなる。
そも向き合うことを必要とされていない。付かず離れずの曖昧な関係を、皆は好むようだった。
たかが恋人、家族に心の居場所まで取られた気がした。その重要性が解らないのは、僕がイカれているから。

ひとが幸福になることに邪魔になるのなら、殺されて然るべきだ。
それすら、ひとは与えてくれない。自分達の手は汚したくないのだ。
なにひとつ、以前のままではいられない。そんなことは解っていた筈だ。
離れゆくものを思うと、自分を破壊しなければ気が済まない。
もう行き場のない気持ちは、ひとや自らを呪う以外に消しようがなくなってきた。

耐えてきた。今まで同じようなことがあっても、耐えてきたんだ。
だが、今回は違う。支えが無いんだ。少なくても存在していた支えがひとつひとつ離れて、最後の支えすらも失ったような、そんな寂しさなんだ。
人間は忘れてしまう。忘れるから生きていけるらしい。
僕は忘れられてしまう。忘れるから会えるのかもしれない。

すごく怒っている。同時に傷付いて、悲しくなった。
自分がどれだけ周りに依存していたか。
その周りの為に何かしたくても、気持ちが邪魔をする。自分の感情を優先してしまう。
友だち甲斐が無いよなぁ。こんなことでは、失うばかりだ。

しかし、自分を矯正するのも疲れた。
踏みにじられたものを元に戻すのは、気力が要る。たとえ、自分の仕業であっても。
もう消えたいのだ。
或いは、この器さえ動いていればいいというのなら、僕自身はもう眠らせておくれ。
姉さんみたいに、違う人格を宿せたらいいのにな。皆と距離を取り、不必要な接触はしない、伴侶を支えるだけの肉塊だ。

僕の物語が終わる時は、まだか。
自分で終わらせるのなら、その一時が重要になってくるぞ。
疲れたな。疲れたよ。何でこんなに苦しんでいるのだろう。
ひとの中の順位、気持ちの範囲、そんなものを常に占有したいだなんて、馬鹿だなぁ。最も忌み嫌われる。これが誰の中にある欲求だとしても、向き合うことは稀だ。

自由にはなれそうにない。
誰もが忘れてしまっただろう景色を、僕ひとりが憶えている。
夜に歩いたことも、夕焼けに家路を目指したことも、みんなは忘れているだろう。
その景色を上書きできる程の存在に逢っただろう。
人間の営みの中に紛れこめなかった自分が悪いのだ。

認めるしかあるまい。ここでさよならだということ。
書き終わるまでは。自分が保てるうちは。
苦しいので、誰かに話したい。上手く話せない。
もう聞けるひとなど居ないんだ。
幼馴染みメンバーの一人から、「愛されずとも、誰かを愛することはできるだろう」と言われた。
僕にはそんな高尚なこと、できそうにないよ。
みんな居なくなる。居なくなった。他の人間が、感情が奪っていった。違う、幸せになりに行ったのだ。

僕の幸せは、帰ること。
みんなが憶えていてくれること。
必要として、忘れずにいてくれることだ。
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