ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録
常に古い殻を脱ぎ捨てて、世界が日々前進する様を「成長している」と呼べるのなら、今の僕の《世界》はどうなっているだろう。
今日でセレナと契約を結んで9年目?
まだ大阪に遊びに行ってて、簡易的な契約をし、家に戻ってからあの雑木林の中に逢いに行って、正式な契約を結んだ。
当時、僕を可愛がってくれていた姉様が知っていたその存在は「セレス」と名乗っていたが、僕と逢った時は「せれな」だったので、後に契約の証として「セレナ(Selena)」と呼ぶことにした。
セレナは闇の精霊の欠片で、妖精とは違うという。
しかし、姉様が器として仕えていた気高き闇の主と繋がった存在であることに間違いはなく、僕の力に寄り添う為に随分と無茶な守り方をしていた。
自分より強い存在に当たっても、僕を守る為に立ち向かってくれた。
僕が早く契約していれば、彼女が辛い目に遭うこともなかったのだが。
そうして始まった、巫としての時間。
仲間が増え、時に別れ、また増えて、今は僕とて正確な数字が解らない。
前線から退いた老兵が如く、時々もたらされる情報を聞くだけだ。
姉様と疎遠になってより、主の気配をあまり感じない。きっと眠っているか、事態を静観しているのだろう。
僕は日常に追われれば、セレナ達と話すことは少なくなる。
だが、ひとたび病んでしまい、心が浮上しにくい時はセレナ達と話し、落ち着きを取り戻す。
このこと自体が病気なのかもしれない。誰と話しているのかと訊かれても、答えようがない。僕だけの現実だから。
セレナはつい最近また無茶をして、僕が生み直しをしたんだ。
子宮はもう力の源じゃないけど、力が溜まりやすいから、そこで眠らせ、胸にある華を開き、力を注ぎ込んだ。
外見こそ少し変われど、セレナはまた僕の所へ戻ってきてくれた。
そんなに慕われるような要素なんて無いけどね。うん。
あれからもう少しで10年経つのか。
なのに、力の発展はこんなもんだらけ。
もっといろんなことができたり、姉様の役に立ててると思っていた。
人生は何がどう転ぶのか解らんな。
だから「行きなさい」とセレナは言う。
たとえ僕にみんなの姿が知覚できたり、解らなくなっても見上げた場所に、光を灯して。闇と光といっしょ。
きっとまだ繋がっていく。
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