ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録
こんばんは、ふらみいです。
今日はパート先で嫌なことがあったので、映画でも観ましょうと思って借りてきました。
嫌なことそのものは、忘れるしかないというか、もう職場を変えるしかないようなことだったので、悩んでも仕方ないことばかりであります。
しかも、ふらみいよりは周りのバイトさんやパートさんが怒っていたしね。終始、ピリピリしていて、嫌な感じ。当てられたのかな。
そんな嫌な思いを、また月曜にしにいくのかと思うと、気が滅入る。
だからこそ、何か意欲が出てくるようなものを観て、鋭気を養いましょう。ね。
借りてきたのは、
"脳男"
"東京ゴッドファーザーズ"
"つやのよる"
ゴッドファーザーズは故今敏監督の作品ですね。
彼の作品でもう観ていないのは、たぶんこれだけだと思うので、コンプの意味もあって借りました。
つや~は阿倍さんが主演だったので、つい!
友人の影響で阿倍さんが好きになってきたんです。いや、元々、良いお顔立ちと雰囲気だなと思ってはいたんだけど。
あらすじを読んだだけだが、何だか気になったので、観てスッキリしよう。
んで、"脳男"は去年、映画を観にいった時に予告だけ観て、気になっていたのです。
主演の生田斗真くんの美しさに惚れこんだと言っても、過言ではない。実際、それが売りのひとつでもあったようだし。
予告を観ていて、たぶんとっても頭の良い殺人鬼の話なのだろうなーと解ったので、機会があったら観ようと思っていた。
そして、生田くんも観てみたかった。
横顔が美しい人に惹かれるのです。生田くんもそう、RURUTIAさんも美しい。
横顔の美しさは内面の美しさも表していると思いませんか、うふふふ(-ω-)
あらすじとしては、
とある地方で多発していた、殺人事件。被害者は皆、舌を切り取られた状態で発見されていたことから、同一犯であるとして捜査を進める警察達。
そして彼らが突き止めた、犯人と思しき奴の隠れ家で1人の男を拘束する。彼は痛みを感じない特異な体質を持っており、精神鑑定をする為、医療センターへと回された。
その男を担当した先生は様々なテストをしていくが、男の脳波などにまったく問題は無く、寧ろ身体も頭脳も優れていることが解った。
そして、彼には人の感情が無いようで、まるで機械のように正確な所作をとるということが解っていき・・・・・・
と、こんな感じ。この男を捕まえて、精神鑑定を進めていきながら、連続殺人を犯した犯人とも対決していくことになるのです。
ネタバレしないで一言を言うなら・・・・・・、うーん、難しいな。
ふらみいは結構「へぇ~」て楽しめたのだけど、この手の映画をよく観る方のレビューなど見たら、かなり手厳しいことを仰っている方が多かったのです。
ふらみいは邦画をあまり観ないので、これでも充分に楽しかったのだけど。物足りないって方が多いようでしたね。
主演の生田くんからはじまって、松雪さん、二階堂さんなどなど、とにかく演技に見入ることができます。
どなたもハマり役だったのではないでしょうかね。
松雪さんなんて、あの話声とか独特だな。あんな綺麗な人がDMCで社長やっていたんだな・・・・・・。
江口さんも出ていましたねー。
あのお方の雰囲気がなんだか苦手なのだけど、今作ではハマり役やっていたと思うので、そんなに苦手に感じませんでした。
寧ろ、後半の演技に光るものがあって、人の絶望がよく表現されていました。本当にすごい方だなぁ。
でもやっぱり、生田くんでしょうかね。脳男という難しい役を演じる為に、様々な努力をされたと聞きました。
瞬きひとつしない、動作は正確で迅速、感情の抑揚を欠いた演技ってのは、かなり徹底して作られたものなのでしょう。その為に引きこもりしたり、身体つくったりしたんだってね。
役者魂っていうのですか、そういう身体を張った役作りは素晴らしい。だからこそ見入るほどの演技へと完成されるのでしょ。
なんだか上から目線なことしか言えないけど、どなたも素晴らしいと思ったのは確か。
アレだな、感情を持たない殺人者や、一味違う殺人者ってのを演じられる人はすごいな。
だから伊藤英明さんも、生田くんも、悠仁も好きだ。演じている時の彼らが好き。普段とかそんなことは気にしない。演じている時の研ぎ澄まされた、纏う空気が良い。好ましい。
女性でなら、仲間さんとか? いつかのドラマで観た二重人格の役がすっごく巧くて、やはり見入った。
でも一番好きなのは、松下さん。ナースのお仕事から始まって、大奥で完全に射止められた。好きです。
グロ描写が多めだと思うので、苦手な方は注意です。人が死ぬ場面が結構エグいかな。
冒頭からいきなり拘束された人が舌を切り取られるので、その時点で「あ、無理」と思ったら、その後を観るのは辛いかもしれない;;
爆破シーン多いですね、あと。たくさんの人が一瞬のうちに爆破される感じですか。
ここもレビューでツッコミ入れられていましたな。「爆破のシーン多すぎ」みたいな。ふらみいはそう感じなかったけど、そうなのか。
あ、でも、爆破について疑問に思ったことはあるかもしれない。爆薬の量に対する規模とか、そこまでは解らないけど、巻き込まれた人達とかね。吹っ飛んで死ぬ筈なのに死んでいないとかね。
あと、原作からの変更点が幾つかあったみたいです。
ふらみいは原作を読んでいないので、後からwikiを読んで知っただけなのですが。
原作を読んだことのある方からしてみれば、変更点は不思議なものが多かったかもしれないですね。
なもんで、人にお勧めはできないかな・・・・・・。演技の素晴らしさだけ観てもらえるなら、勧めたいけど。
如何せん、人の死に様がグロいし、健康的に生きている方の精神をかなり抉る話になっていると思うので、観る時の精神状態に注意です。
というわけで、感想をつらつら書いていきましょう。
ネタバレするので、隠して語ります。
作業用BGM
ジムノペディ 第一番 / エリック・サティ
えーと、そうだな、どこから話していいのやら・・・・・・。
とりあえず、感情の無い人間ってのがどう描かれるのかに興味があったので、これを観たかったんである。
自論だけど、感情の無い人間というものは居ないんでないかな。
感情があるからこそ人間だと言えるのだと思う。人の定義の中に組み込まれていると考えてもいいかな。
だから、感情が無い=人間らしさが無い と、簡単に捉えてしまいます、ふらみいはね。
そして、そんな稀有な人間は、そう多くは居ないだろう。
産まれた環境、育つ環境に左右されて、人はたとえ人の形をしていたとしても、まったく違う存在へとなることができる。それは、そうなるように育てられたから。
このへんは、狼に育てられた少女達を見て思ったことかな。結局、あれは嘘だって後で聞きましたが。
で、無感情を装った人間なら居るだろうけど、先天的に感情を持たない人間というものは居ないんじゃないかな、と。
どんなに心が壊れても、どんなに脳味噌がイカレても、感情っていうものは、なかなか消えない。
先天的な脳の病気で上手く機能できないと言ったら、それはまた違うか。
本人の意思が育たないような環境でも、周りがその人を人間だと思って接していたら、たとえ本人に「自分は人間である」という自覚が無くても、人扱いになるのかしら。
そうなると、ふらみいの自論は可笑しいことになりますね。
それはともかく。
感情を持っていない人間は居ないと考えているから、脳男が感情を持っていないっていうのは嘘だろーと思ったのです。
だけど、感情に上手く折り合いをつける・・・・・・どころか押し込めて生きていて、それで不自由が無いってことだから、それはどんな生き方になるのかなと興味はあった。
でも、感情が無いってことは、他者に対する感情も無いってことだから、サイコパスに近くなるのか?
サイコパスは感情を持っているけど、他者に対しての意識が低いことが特徴であるらしい。
脳男はサイコパスなんじゃなくて、感情を排しているだけなんだろ。そこがちょっと理解するのに、時間が掛かる。よく解らなかった。
そこで思ったのが、田口ランディさんの書いた"コンセント"に出てくる"世界残酷物語"の中の話。
世界~は観たことないから、嘘か本当か解らないけんど、プラグを差すことで生きることを始める少年が居るらしい。
それは少年が「自分はプラグを差さないと生きられないものだ」と認識しているから、そうなるのかしら?
それと同じように、脳男も自分のことを、電源オンオフで切り替わる機械であると認識しているのかしら。
精神鑑定の先生は脳男に「あなたはあなた自身のことをどう思いますか」とか訊けば良かったのに。
彼の特異な点を見つける為とはいえ、あまりに普通なこと訊いて、突拍子もないことを訊いたよな。
彼を育て上げたのは、祖父の歪んだ愛情だったのですか。
轢き逃げ事故で息子夫婦を亡くし、孫を拾ったはいいものの、どうしても轢き逃げをした犯人を許せなかった。殺してやりたかった。そいつを悪としたかった。
ふらみいは激情家なので、誰かを憎んだり殺したいと思うことは日常茶飯です。それぐらい、誰かに向かう気持ちというものは強い。
だから、祖父の殺劫というものも理解は出来るんだけど、それに孫を巻き込むのはどうなのだ。
この時点で、孫はサヴァン症候群なのかなと思ったのだけど、そういうことではないらしい。何でも記憶して忘れない人って、確か居たよな。生きにくそうだなーと考えたことがある。
孫もまた、後天的に感情を身につけて人間になろうとしたところを、祖父に言われて機械のように動いたりしたものだから、完全にできあがってしまっている。
たぶん何も考えず、何も思わず、淡々と言われたことを遂行する。その「ロボット人間」であるところに、ものすごく魅力を感じてしまう。
機械が人間になりたいと思うことはあっても、人間が機械になりたいと思うことって、そんなに無いものね。彼の場合はなりたくてなったわけじゃないが。
それもやっぱり、ふらみいは激情家なので、時々は自分の電源を落として停止したいなと思ったりするのです。
祖父の言う「悪」とは、人を平気で殺す殺人者のことね。脳男は忠実に動くのみ。
江口さん演じる警察官が「正義感溢れる殺人ロボットだ」と罵っていたけど、正義感ではないだろう。彼には正義も悪も、認識としては無さそうだが。
だって、例えば、何人も虐げてきた悪いけど殺しはしていない奴を、虐げやがってー! と別の人が解放される為に殺したら、脳男は、解放する為に殺した人を殺すのでしょう。
殺すことこそが、悪というか、うーん・・・・・・悪とか正義とかじゃないと思うんだよな、彼の行動原理。
だから、警察官の言う「正義感溢れる」ってのは、こっちからの目線過ぎて、同意しがたかった。
正義とかじゃなくて、こう、もっと違うものの為。えーと・・・・・・、だって、機械は命令をこなすだけだから、そこに悪も正義も無いじゃない。
相対する、精神鑑定の先生だけど、この方も結構、辛い立場だなぁ・・・・・・。
弟を殺した奴の精神鑑定って、何を思ってそうしたのだろう。少しでも更正したいと考えたのかな。
彼女はまだ現実と戦えたけど、母親は駄目になってしまったのだね。痛ましい。
この、弟を殺したっていう少年がまた素直そうな子だったんだよなー。
だから、この子が結局、出所してもまったく治っていなかったっていうのが、世の中の無常を物語るわ。
脳男が彼を殺したから、彼に捕まっていた少年は解放されたわけだけど・・・・・・これで良かったのかね。
一度堕ちた奴は二度と這い上がれないのだなぁ、という絶望を、まざまざと見せ付けられた感じ。
先生もそう思って、少年を助けた後で絶叫したのだね。あそこの絶叫は痛ましかった。自分のやったことが無駄になってしまったって、思ったのかな。
少年の母親も見ていられないよ。「息子は殺されて良かったんだ」なんて、言いたくはなかっただろうよ。だけど、治ったと信じていたのに駄目だったんだもんな。
彼女にも、現実が否応無く立ちはだかる。正しく生きていた筈でも、足元から急に道って消えちゃうんだね。
だけど、ひとつ気になるのは、先生が何故、脳男に少年の話をしたのか、だよ。
どなたかのレビューにも書いてあったけど、先生が脳男に「この前見かけた少年は、私の弟を殺したけど施設で更正して出所するのよ」と話したのは、脳男の習性を利用して復讐したかった気持ちもあるんじゃないかなーと思ったね、ふらみいも。
でなければ、あの話をした意図が解らなくて。敢えてあそこで話すことないだろうに。
しかし、幸か不幸か、脳男は彼を殺した。先生の為に殺したっていう解釈が多かったけど、そうだとしたら嫌だなぁ。誰かの為とかじゃなくて、殺す為に殺してほしい。
もしあそこで、少年が本当に改心していて真っ当に生きていたとしても、過去の殺人の経歴がある限り、殺していたのかしら?
そうであってほしいけど、先生の為に殺したって解釈だと変わってきちゃうな・・・・・・。
警察官については、テンプレのような熱血さんでしたね。でも、無力でしたね。
冒頭の「人が死んでいるのがそんなに楽しいか!?」の後の「この国はどうなっちまうのかねー!?」という流れに、不覚にも吹きそうになった。そんな言い方するなよ、おじさんだな。
この怒り方が、田口ランディさんの"モザイク"に出てくるおじさんに似ている気がする。
それとも、年代でこの怒り方は固定なのだろうか。日本なんて憂う気も無いくせに。
この警察官と組んでいた新米さんが心の支えだったのに、惜しげもなく死んでしまうとは・・・・・・。
というか、この新米さん、身体張っていたなぁ。かわいそうになったぞ。
最初の爆風に吹き飛ばされた時点で死んだと思っていたのに、生きていた。と思ったら、また爆発に巻き込まれて、先輩庇って怪我をしたけど、生きていた。と思ったら・・・・・・って感じで、貧乏クジを引きまくっている。
最後の貧乏クジに至っては、助からないと解るや否や、自分から爆弾を爆発させに行ったもんな・・・・・・、あんな勇気、よくあったよ、本当。吹っ飛んだ上半身まで映っちゃって、オイオイ。
この時の先輩の演技がすごい。絶望と、呆気にとられている感じと、信じられないっていうないまぜの感情がすごくよく表現されている。
余談だけど、最近の夢で、ふらみいはまたも殺されそうになりまして。
今まで何度も殺される夢は見たけど、最近のやつはものすごくリアルな感覚で、本当に死んだと思っていたぐらいだった。
銃を突きつけられて撃たれるんだけど、音は聴こえたのにまだ自分は生きている感じで「気が変わらんうちに早く撃ってよ!!」と、すごい汗かいて、すごい焦っていて、助かりたいような、このまま死にたいような、ものすごい混沌に見舞われておりました。
だけど、撃たれた音が聴こえたのに、いつまでも撃たれる瞬間が続いている。もしかしたら、死ってそういうものなのかもしれない。
だから、この新米さんが爆弾をセットされて、助からないと聞かされながらタイマーの音を聞いているところで、すごいドキドキしました。
それを自分から爆発させにいくなんて。ふらみいだったら、できるだろうか。助かりたいからって、あそこでふがふがしているだけだろうか。解らない。
連続殺人事件の犯人については、女の子2人組でびっくりしました。まぁ、話としては有り得なくもないか?
幾つかのレビューで「漫画みたい」という感想を見かけましたが、うーん、そういうもんかな。漫画だったら、この犯人は可笑しくないのか?
原作では普通のサラリーマンが犯人らしく、どうして女の子2人にしたのか、よく解りませんでした。
1人は脳男と生い立ちが似ているけど、感情もあり、末期癌であるらしい。ジグソウみたいね。
頭は良いんだけど、他者に対する感情を持てないようでした。でも、そのへんの理由とか掘り下げられなかったな。
何で親を殺したのかとか、何人も殺して舌を切ったのは何で、とか。殺人しているのなら、何かしら美学があるだろ。しかも、自分のこと悪く言った奴ばかり殺しているのだから、その理由を語ってほしかったな。
語り始めても不思議ではないぐらい、その娘がイッちゃっている系だったのです。
てっきり脳男と同じく、感情の無い人間かと思っていたのに。或いは無感情を装う人間だと思ったのに。脳男との対比を楽しめるかと思ったら、そうでもなかった。
彼女を崇拝している女の子が居たんだけど、この娘ももう少し掘り下げてほしかったなぁ。
元は動画サイトに首吊りとかをアップしていて、自分の特別さ(とは言うが、要するに変人であることを知ってほしかった?)を解ってもらいたかったけど解ってもらえなくて、解ってくれた主犯の娘を愛してやまないっていう、一途な方。
というか、そんな動画をアップしていたなら、ネット世界のことだし、いろんな奴の目に留まっていただろうよ。この主犯の娘以外でも、気に入ってくれそうな奴とか見つけられるんじゃないのか?
まぁ、突き詰めて考えている人は世界が狭かったりもするし、この主犯の娘じゃないと満たせないものがあったんかもしれん。
・・・・・・一方的な愛情だったけどな。愛してもらえていなかったが。
爆発シーンが多いとか、頭脳戦が無いとか、そこは特に気にならなかったなぁ。
頭脳戦をするんだったら、デスノートで充分だろうし。そういう感じじゃないもん、脳男。あくまで記憶力。機械だから、定められたことしかできないしね。
それなら、脳男ではなく記憶男だな。どうもでいいか。
漫画的な要素が多いようなのだけど、漫画も映画も何ら変わりなしと思っているふらみいなので、問題はなく。
強いて言えば、脳男を止めようとした警官とかがみんな弱かったことかな。
警官って、対人用格闘技もそれなりに修めていると思うのだけど、あんなにさらっと負けてしまうもんか?
それだけ脳男が強かったと言われればそれまでだけど・・・・・・、身体鍛えてないからかなぁ。
おもしろかったと思います。何も考えないで観られたし、後でこんなにいろいろ考えられたし。
友人にも観てほしいけど、グロ多いからな。そこだけが難点か。
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