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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

解っていたのに借りてしまったなぁ・・・・・・そんな気持ちでいっぱいになる映画。
2015年に日本で公開されていたというので、そこまで古くない映画だったのか。
てっきり古い時代設定の映画だと思っていたから、『ムカデ人間』と同じように考えていた。

いや、まぁ、『ムカデ人間』は完全に表紙にやられて借りたんだよな。
「つなげて、みたい」とかいう文句も、絵のそのままのことやるのかーしかしどうやって? という好奇心を煽った。
うん、本当にそのまま繋げていたな。それでも、医療に携わった人間がやっていると、仕打ちは酷だけど、失血死とか化膿とか起きなさそうだなって思ったんだから、怖いね!
・・・・・・あれ、でも友人は傷口から化膿して病気になっていたような・・・・・・。

それで、この『Mr.タスク』は「コメディホラー」なるものに分類されるらしいです。
確かに、ケースの裏側に書いてあった文句はコメディ色のある書き方だったけど、「セイウチ人間を作ろうとして大騒動!」みたいな文句だった気がするんだが、これはコメディ過ぎるか。

あらすじとしては、
アメリカでネット配信をしている主人公と友人は、下品且つ不謹慎なネタで笑いを提供しています。若干、友人の方が弁えていそうな感じかな。主人公の方はほんと人の不幸でもネタにしそうな程、クズっぽさが出ている。
そんな主人公と友人が配信で紹介したのが、とある映画のアクションシーンを真似たがために足を斬りおとしてしまった少年。さんざん笑いものにした挙句、彼にインタビューをとろうと主人公はカノジョを置いて、カナダに一人やってきた。
しかし、少年は自殺してしまった後。有力なネタを持ち帰ることに焦っていた主人公は、とあるバーのトイレで不思議な書置きを見つける。
それは奇妙な体験をしたハワード・ハウという老人の語り話を聞くというもので、手ぶらで帰れない主人公はその話を聞きに、老人宅へと訪れた。
しかし、その老人の真の目的は、そうしてやってきた人間を「セイウチ」に生まれ変わらせることだったのだ・・・・・・!!!


えぇ、こんな感じ。
ほんとセイウチだった、はいはい。

俳優陣がすごく豪華だったらしいっすなー。
ぜんっぜん気付かなかったけど、ジョニー・デップだったのね、あの方・・・・・・。
しかも、天才子役だったハーレイ・ジョエル・オスメントも!
『シックス・センス』好きなんだよなぁ、いつも泣いたわ・・・・・・。
大人になったということで、なんだかぽっちゃりした男性だったけど、優しそうな雰囲気は変わっていなかったな。

内容を聞くとグロテスクだけど、そこまでグロさは無いかなぁ。
『saw』とか『ムカデ人間』を観られる方にならお勧めしても嫌な顔は特にされなそう。
けど、セイウチになった後の人の顔や身体は何故かツギハギだらけで結構エグいので、飲食しながらの鑑賞はお勧めしません。
ホラー要素は途中まであったけど、セイウチになった瞬間から「あぁこれB級だったのか」と、急に現実に引き戻されます。

ニコニコでコメント付きとかで見たら、また面白いというか、違う観点から見られるかもしれないなぁ。


以下、ネタバレというかキャラクターの言動に思いを馳せるので、隠します。







いやもうツッコミどころはいろいろあるぞ、この映画。
語り部のじーさんが辛い半生を送って、あのとおり精神が歪んで、しかし打ち上げられた島でセイウチに助けられたは良いとしよう。
だけど、そのセイウチを自分が生き延びる為に殺した自責の念で15年もかけてセイウチ作ろうとしたって、どんな熱意だ。

いや、気持ちは解る。待て、解らなかった。
他の方のレビュー見て、ようやく自分が何を見たのかが解ったぐらいだ。
正直、何でそこまでセイウチにこだわるのか、誰かをセイウチに変える必要があるのか、自分までセイウチになる必要があるのか、何もかも謎だったのだ。
しかも、足が利かないと嘘を吐いて、あんな大豪邸に住んでいる。あの人は医学界の権威か何か? 手術はちゃんとできていたよな?

レビューにて、「自分が殺した友達に申し訳ない気持ちがある、今度は正々堂々と戦いたい」と思っているんじゃないかってあって、やっと合点がいった。
だって、最後にいきなりじーさんまでセイウチになって出てきた時は驚いたぞ。一緒に遊びたかったにしては、回り道過ぎるんじゃないかなぁって目が点になったぞ。
このへんがコメディホラーなのかなぁ。

一連の展開へのついていけなさ、『かまいたちの夜 ~監獄島のわらべ唄~』の「底蟲篇」を思い出したね。
壮大な音楽の後ろで戦う巨大な土蜘蛛と常世蟲。プレイヤー完全においてけぼり。

この主人公、確かにクズはクズなんだけど、昔の自分から訣別したかっただけなんだよな。
「今の自分の方が好きなんだ」って言っているのも、恐らく本当。他者の不幸を蜜の味だと覚えて、それを周りに提供することでエンターテイメントとしている。
あんな美人なカノジョをして「結婚する気はない」だの「取材に連れていったら浮気できない」だの、よく居る「普通の男性」という感じ。ふらふらしていたいだけの男性。

足を斬りおとした少年のこともさんざん笑っていたから、主人公もいきなり片足を切断されて「ざまぁwwww」って思った人も居るのだろうか。
この辺りの主人公の「助けて」と喚く様が、『第9地区』の主人公に似ている。エビたちの子ども殺して大喜びだったのに、無抵抗なエビは殺したくないとか言ってな。
人の不幸を嗤っていたものが、今度は同じ目に遭う。しかも、それ以上のことに遭遇する。

足を切断され、腕を脇腹に結合され、舌を抜かれ、口には立派な牙をつけられる。
自由にならない身体、じーさんからの執拗なフレンドシップ(ただし一方的)、最後には「戦え」とか言われて、じーさんを殺して生き残った。

カノジョと友人からしてみたら、悪夢以外の何物でもない。
しかも、主人公はセイウチとして生きていくことになってしまったからなぁ。
あの身体を何とかして手術すれば、四肢切断に近い状態になっても人間として生きていけそうな気がするんだが。
もうじーさんを殺した時から、生きる為の本能のみが彼を動かしているのかな。


映画は全体的に前置きが長い感じがするなぁ。
どういう背景があって、どういう心情が動いてってのが解るようにって、ああいう展開なんだろうけど、じーさんの話とか、元警部のおっさんとか無駄話が多かった気がする。
「それはいいから早く核心言えよ」とツッコんでしまったのは、この映画の世界に入れていないからか?

それに、外国人ってあんなに警戒心が無いもんなの?
人里離れた場所で、助けも呼びにくい所によく一人で行けるな!
しかも、そこで出された茶菓子に手をつけるとか、それ飲んだお前も悪いだろ!!
僕はただでさえ怖がりなので、相手の領域には入れない。家の中とか、勧められても無理だ。入ったら何されても文句言えないからね。

『ムカデ人間』の時は事情が事情だったけど、『Mr.タスク』は主人公の油断だな。
そのへんから、あとは真剣に話しているカノジョを蔑ろにしているところから、あんまり感情移入とかできない。
かといって、あの主人公があんな目に遭って良かったとも思わない。

人間の心があるのに、セイウチのままだぞ。何で殺さなかったんだ。殺せなかったのか。
それで、かつての恋人からサバを投げ渡されるんだぞ。笑えねーよ。

胸糞悪さは無いけれど、よく解らない疑問が残りました。
必死さはあるけど、『ムカデ人間』の方が煽られるものはあったな。


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