ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録
オンラインゲームのフレンドから「たぶん好きだと思う」と勧められて、絵柄の懐かしさと2000年代アニメという部分に惹かれて、気軽に視聴を開始。
動画サイトにて公式が公開しているというから、先ずは1話を観て、気になったら続きを――と思ったら、2週間しか公開していなかったらしく、1話から次は11話が公開されていた。完全に乗り遅れた。なので、別の動画サイトに飛んで、無料期間中に全話コンプリート。
一気見は元々できないタチだから、1週間くらい掛けてちまちま数話ずつ消化していたのに、途中から続きが気になって、最後には頑張って観てしまった・・・・・・。
どうしてフレがこれを勧めてきたのか、その理由を考えればどういう系統のアニメなのかは何となく解るつもりだった。
とはいえ、あの年代のアニメだったらきっと一筋縄ではいかないと思い、色眼鏡を捨てて視聴を続けていたのだけど、まぁ落ち込む展開が多かったな。
これがwowowだけでしか放送されていなかったというのが、本当に勿体ない・・・・・・けど、地上波で放送できたか? って訊かれると、かなりきわどかったかな。ロリのエロと捉えられかねない描写は多かったし、銭湯に行く話とか詳しく描いてないまでも皆すっぽんぽんだったし。
地上波の放送だと余計なところ(失敬)で物議を醸していたかもしれないので、隠れた名作として語り継がれていた方がいいんだろうな~というのが個人的な見解。今の時代なら、望めば自分で動画サイトに行って観ることができるしね。良い時代になったものだ。
高評価を受けている一方で、気になるのは低評価をつける方々の意見。
高い評価は「うんうん、解るよ解る」と共感の嵐を生むけど、低い評価というものも侮れない。こんな見方があるんだな~勉強になるな~って意見もあったりするものだ。ただ悪し様に言っているだけのものは無視するとして。
どこの感想を読んでも高評価が吹き荒れているもんだから、わざわざ低評価を探しに行ってしまった。性格が悪いのではないだろうか。
個人の感想としては面白かったし、とても丁寧に作られたアニメだってことは解っているんだけど、如何せん主人公を好きになれなかったことと、これがどういう系統のアニメかってことの理解が最後まで遅かった所為で、いまいち感動に乗りきれなかった。
なもんで、誰かの辛辣な意見を聞いて、自分の感想を整理したくなった。今のところ、あまり見つかってないけど。皆さん、良い方に受け取っているようだ。
ネタバレになる書き方しかできないので、ちょっと間を空けて感想をぶぁーっと書き連ねる。
感情を持たないロボットと中学生の異種間友情モノだと思っていたら、人造生命体(みたいなものと解釈した)のメランと、不幸体質の塊みたいな女子中学生まりんの異種間恋愛モノだった。びっくり。
途中から何となくまりん→メランだなぁ~友達なんだなぁ~ってなっていたら、最終話付近で「メランは私の恋人なんだから!」て台詞が出てきて、あっそういう括りなんだってそこで認識を改めることになった。こんなはっきりと恋人って言うのか。
だけど、僕が観てきた限りでは、メランはまりんのことを信用し、好いていたとは思うけど、それが恋愛感情だったかは不明なんだよな。そもそも彼らに恋愛感情が必要なのか、存在しているか解らなかった。
まりんと関わっている過程でメランが恋愛感情を獲得したのなら、まぁこういう展開もアリかもしれない。
と言っている時点で、僕がこのアニメに期待していたものは外れてしまったな~という勝手なしょんぼり感がある。
全貌は解らないけど、メランは全身全霊を掛けてまりんを守ろうとしている! そこで育まれる友情、絆!! っていうアニメを想像していたから、思っていたよりもずっと実直な恋愛を見せられて度肝を抜かれてしまったのだろう。
この壮大な異種間恋愛に嵌まれなかった原因として、僕がまりんを人間的に好きになれなかったというのがある。
生まれがどうとか、不幸体質がどうとかより、単純に合わなかったのだ。大変申し訳ない。
あれだけの目に遭っても彼女が荒みきって道を踏み外さなかったのは、長屋の家族やみどり先輩、もえちゃんのお蔭で、本人の気質に因るところも大きい。基本的には明るいし、前向きだし、なんだかんだで問題を解決しようとはしている。
中学生だから周りが見えていないところや、詰めが甘い部分だってあったけど、それはそれ。あの歳特有の無鉄砲さや素直さが売りになっていると思えた。
それでも駄目だった。口癖の所為なのか、変なところで妄想癖を展開するからか、全編通して特に成長が感じられなかったからか。僕にはそう見えてしまった。
まりメラはあらゆる描写を丁寧に見せてくれるから、様々な要素の中でまりんの性格まで暗かったら、視聴者のしんどさは尋常じゃないものとなったろう。そこを緩和するためにあの性格で、タイミングを見てギャグが差し挟まれていた。それは解る。
それを理解した上で、まりんが苦手だなぁと感じてしまった。そんなまりんを恋愛感情で見ているメランの感性も、正直言えば理解し難い・・・・・・いえ、蓼食う虫も好き好きか。
良い子だと思っているのに、自分の好みではないってのも不思議な話だが、そういうこともあるよね。
主人公が好きになれないと、僕の中ではその作品は途端にふわっふわなものになってしまう。
もっと違う部分を注視して観ているつもりだけど、主人公のフィルターに引っ掛かって「ここが良かったけど、こいつがもうちょっとこうであればな~」なんて不満を抱えてしまうことが、しばしばある。
まりメラに関してはその不満はややあるけど、評価全てが覆る程ではなかった。そこはやっぱり話の内容と、メラン及び銃剣士3人が好きになれたことと、長屋の家族や友達が良い人ばかりだったから、だろうか。
サブキャラが本当に良い味出しているんだよな。サブで「こいつ嫌だな」とか思った人が1人も居ない。
どこぞの感想で読んだけど、この話に悪人は出てこない。そう思う。皆、何かしらの理由があってああいう言動を見せた。まりんにとっては理不尽でも、相手の立場に立ってみれば理解できるぞって内容が多いと思えた。
高圧的な態度で拷問みたいな取り調べをかました警察のおっちゃんも、娘がモノマキアの攻撃で死んだって発狂した母親も、まりんに不平不満をぶつけるしかできなかったクラスメートの男の子も、理解できる。行動の是非はともかく、こういうことがあったらこうなるよねって辻褄は合っているんじゃないか。
あぁでもあのいじめっ子の主犯格・・・・・・あの女の子はもう少し謝罪の態度を見せても良かった気がする。まりんを突き落したことを後悔していそうな描写はあったけど、結局、世界が元に戻った後もまりんに対する干渉のしかたは変わらなかったもんな。もっと何かあっても良かった。
観て良かった作品だけど、誰かに勧められるかというと解らない。人を選ぶ描写が多いよな。
残酷だと思える場面も、人によっては「鬱になる」と落ち込ませるような場面も、この作品に必要だから描かれたものだと僕は思っている。だから観ていたけど、誰かにとっては不必要なほどの主人公に対する逆風と捉えられていても、仕方ない。
淡々と物語を追い続けて、最後の最後、二人の別れの場面でメランの涙と「胸が張り裂けそうだ」という言葉に、やっと感情が飽和する。そういう作品だった。
何かの糧にできることを切に願う。
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