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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

 勢い込んで感想を書いていたのに、それが全部さっぱり消えてしまって何を言いたかったのか忘れてしまった。まぁいいか。

 異種間恋愛ものだってことが早々に解っていて、でもギレルモ・デル・トロだしなぁと敬遠していた映画だったけど、やっと観た。
 すっきりと描かれたロマンスだったので、後腐れなく観れた感じ。寧ろ、同種間の恋愛すら書けずにどうしたもんかと思っていた自分にとっては、この映画のすっきり具合は見習いたいところ。
 人によっては半魚人の設定は何なんだとか、あれは結局どういう存在だったんだとか、そういう部分が気になると思うけど、この映画の肝は恐らく異種間恋愛ってところだけなので、考えずに感じた方が楽しめると思います。
 小説も出ているようだ。そっちを読んだ方が設定とかは解るかもしれない。

 主人公のイライザの地味な色が段々と派手な暖色系へ移り変わっていく、彼女の心境の変化。毎日が楽しくなり、気持ちが弾んで笑顔を見せるようになり、周りが見えなくなっていく様は正しく恋愛真っ只中の女性。
 彼女を取り巻く10年来の友人(黒人)、隣人の絵描き(ゲイ)、彼女自身(聾唖者)という、1960年代のアメリカではちょっとだけ受け入れにくい存在。彼ら自身はとても良い人柄を持っている。なんだかんだ、マイノリティ同士だからこそ協力し合うって印象を与える。
 イライザ自身が海の世界から来たんじゃないかと思わせる言動の数々、雨が降ることを解っていたり、窓の外の水滴を少しだけ操るような描写が目を引いた。彼女が唐突に歌って踊り出すミュージカルシーンも、彼女が人魚姫のような存在だったなら納得かなって。脚を手に入れる代わりに失った声で、聴こえないけど彼への愛を歌う。

 人間側の悪役として描かれたストリックランドの苦労人っぷり。家庭も仕事も円満に見えて、その実、この人が満たされることってあんまり無かったんだろうな。好きでもない色の高い新車を買って、早速ぶつけられたところとか、同情せずにはいられなかった。
 と言ったところで、ストリックランドの環境は彼自身にもちょっと非があるんじゃないかって感じるけど。家庭にしろ仕事にしろ、選び続けているのは彼だろうしね。そういうことを認められるほど、強い人間でもなさそうだったね。
 ソ連のスパイだったディミトリは半魚人に興味を持ったばっかりに、仲間から異動命令を食らい、ストリックランドとも対立することに。この人の最期は報われそうになかったな。途中まで何だか良い人に見えていたから、少しは救いがあっても良かったな、なんて。

 様々な要素を絡めながら、恋愛模様を描いた正しくロマンス映画。恋愛映画とか普段全く観る気にならないけど、異種間恋愛となると話は別。
 とはいえ、先述の「イライザは海の世界から来たのでは」説を僕は推しているので、異種間というか、最後は同種間というか・・・・・・まぁ姿は二足歩行以外、そんなに似てないけどね。
 イライザは水中が好きなのかと思ったんだよ、自慰行為も必ず風呂場だったし・・・・・・とか言って、風呂場なら汚しても洗い流せるからここでやるのかなって思っていました。ちょっと違ったみたいです。
 巷の考察や感想を読んでみたら、結構居たんだ、イライザは人魚姫なんじゃないかって方が。あの首の傷を見たら誰だってそう思うよね。僕はあの傷を見て映画のダゴンを思い出したから、だからイライザを人間とは思わなかっただけかもしれない。

 半魚人も、小説版だと神として描かれているみたい。クトゥルー的存在かと思った。
 感情表現がちゃんとあって、イライザのこともちゃんと好きだったようだ。どこか可愛げのある仕種がいいなーと思わせるが、隣人の猫を食った時はヒェッてなったぞ。それを「彼の本能によるものだから」と理解を示した隣人も凄いが。


 ってな感想をもっとつらつら書いていたのに、一瞬でパァだ。30分がパァだ。
 とにかくあまり気負わずに観られる恋愛映画です。グロテスクな場面とか、性描写もがっつり映ることがあるから、一人で観るのをお勧めします。

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