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ふらみいの、とうかの、言葉吐しと成長録

 人に期待したくないんじゃない、できなくなった。
 誰かに助けてほしいと思っていたけど、その人が僕を助けても何の得も無いとも気付いた。
 どうせ何かを築いたところで、あの子の様に捨てていくのだろうと知っている。
 人間にとっての僕は踏み台で、肥しで、それ以上の価値を求めると罰を受ける。
 それが間違いだと証明できた人も居なくて、僕も証明できなくて、完全に詰んだ。

 期待したところで、誰も顧みてはくれない。
 頑張って書いた物語も、練習した歌も、誰の目にも留まらない。
 そういう人は世の中にいっぱい居る。
 僕より優れたものを作っているのに、見つけてもらえない人が。
 だから、僕よりもその人の方が助けを必要としているんだ。
 僕はそういう人を助けないといけないし、踏み台になりに行かないといけない。
 それで、また捨てられる。踏み台をいつか必要としなくなるのが人間だから。

 書き溜めたものを読んでもらいたいのは何故か。褒めてほしいからだ。
 褒めてほしいのは何故か。そうすると満たされるからだ。
 満たされたいのは何故か。そうしないと生きている実感が湧かないからだ。
 実感が湧かないと困るのは何故か。生きているのにからっぽだったら、あまりにも悲しいからだ。

 人間に多くを求めてはいけない。人間自身が抱えてきた荷物に僕は入れない。
 なのに、承認欲求だとか自己顕示欲だとか、そういったものが邪魔をする。
 漫画だったら良かった? 詩だったら良かった?
 違う形なら、誰かが僕の心の紙片と思って読んでくれていた?
 そうして読んだ後のその人の、いったいどんな糧になるのだろう。
 読んでほしいとは思うけど、何の役にも立たないし、上手いわけじゃないから。
 時間を無駄にさせて、何を共有しようというのだろう。

 僕が人間から必要とされなくなったら、その時は電源が落ちる。
 そういう存在だと割り切るには、まだ傷が足りない。絶望も足りない。
 認めるまでに時間が掛かる。自分を手放すことができない。
 これが三十と余年も生きて、得た感覚だなんて、悪夢の続きでしかない。

 二十年も信じていた人間に梯子を外されて、それでも人を信じられるなら見せてほしい。
 きっとできるようになる日は来るだろうけど、それまで僕の心がもたない。
 人間の真似をして生きてきた心が、もう少しで壊れきるところで。
 あれはきっかけ、僕が死ぬためのきっかけでしかなかった。
 人を信じたらどうなるか、人が何の為に生きているのか、思い知る為のきっかけだった。

 期待したかった。これだけ酷い目に遭っても、どこかで挽回できるだろうと。
 どれだけの傷を負っても、そのうち良くなって、もっと素敵なものが手に入ると。
 長く生きた罰がずっと続く。生きたまま皮膚から肉から削ぎ落されているに過ぎない。
 書いたものを読んでくれさえすれば、蘇られると思っていた。
 そうするだけの気力なんて、誰にも無かった。
 僕だけの母親が居るのなら、その人に逢えば満たされるのだろうか。
 原初の地点へ還ることができれば、こんな苦痛も誰かと共有できて、満たされるのだろうか。

 ずっと書いているのは、そういう話だった。
 手に入れられず、壊れてしまった僕の代わりに、あの子達が手に入れる。
 書き上げた時にきっと満たされる。僕は次の世界を見ることができる。
 でも、書き上げたらそのまま死ねないかなって期待もしている。
 もういいだろう、もう充分だろう、終わりにしてもいいだろう。
 何もしたくない。人間に届かないなら、僕が何かする必要なんて無いんだよ。
 人間がもっと喜ぶことをしなければ、生きている価値なんて無かったんだよ。
 たとえそんな行動をしたところで、僕は捨てられるんだけどね。

 期待する側じゃない、される側だ。何か面白いことをやれよって。
 それすらもされない時がある。何もしなくていいよって。
 生きている意味なんて、そうそう見つかるものじゃなかった。
 苦しくて辛くて、壊れてもまだ傷付くのはどうしてなんだろうか。

 人間じゃなくてもいいよ。機械でもデータでも魔物でも何でもいいよ。
 書いたものを認めてほしくて、歌も声も認めてほしくて、そういう人の中に埋もれているだけ。
 足がつかない海の中でただ沈んで、光を見ることを諦めただけ。
 本当は諦めたくなかったけど、諦めざるを得なくなった。人は僕をもう要らないと言ったから。

 人に期待できないんじゃない、期待しちゃいけないんじゃない。
 捨てられた玩具に未来がひとつしか無いんだったら、僕もきっとそうなる。
 いつか焼却される日が来る。期待すればするほど、その日が早まる。
 死んでもいい、生きていてもいい、何もしなくていい、誰の目にも留まらずに。
 求めるべき人に求めずして、誰にでも求めていたら、そりゃそうなる。
 昔は読んでくれていた人だって、ずっと昔のままじゃないんだし。
 それでも、苦しくて辛い。僕が死んでもその人はきっと気付かないから。

 そういう人間がいっぱい居て、大事なともだちだと思ってきて、そう思っていたのは自分だけ。
 玩具であり踏み台であり肥しであり仮想である、自分に相応しい末路。
 それすらも物語にする。書き上げたらきっと見えてくるものがある。
 それもやっぱり意味の無いことだけど、僕が生きていく上では必要なことだった。
 今は何が必要なのかも、もう解らない。苦しい。
 掬い上げてくれる人が居るなら、早く逢いたい。どうせ捨てられるだろうけど。
 読んでほしい、僕の紙片と想像を。
 停滞するのはもう嫌だ。拷問を受けるとしても、どこかに行きたい。
 受け止めてくれる人へ、僕の価値を付け直してくれる人へ。

 そもそも人じゃないかもしれない。僕と同じ存在かもしれない。
 居るなら応えてほしい。どこに発信して、どこに手を伸ばせば見つけられるのだろうか。
 また期待している。期待できない筈なのに、癖になっている。
 もう何もしたくない。

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